議会活動

新宿区長や新宿区議会議員の給料が、役職付きの新宿区職員の倍以上あがる!? 一般職員との均衡を著しく欠いた区長&区議会議員給料UP条例に反対討論します!

こんにちは。新宿区議会議員の渡辺やすしです。

本日12月9日の本会議に、新宿区長や新宿区議会議員の給料があがる条例の改正案が追加議案として、提出されてきました。本日、審議し、議会で議決しますが、渡辺やすしはこれに反対、議場で反対討論を行います。

 

 今回の給料改正案は、令和6年度の新宿区特別職報酬等審議会の答申書に基づき、新宿区長、副区長、区議会議員の給料を2.89%増額し、特別給の年間支給月数を0.2月分引き上げるものです。これにより、区長の年収額は、現在の2172万7239円から、2274万4918円となり、1,01万7,679円増額し、区議会議員の年収額は、現在の1021万0405円から、1069万2045円となり、48万1,640円の増額となります。

 厚生労働省の「令和6年賃金引上げ等の実態に関する調査」によると、2024年中に賃金改定を行った、または行う予定の企業の「1人平均賃金の改定額」は1万1,961円で、1992年に記録した1万2,939円以来の高水準を記録し、物価高を受けて、民間企業においては賃上げが一定程度進み、一般職員の給料に対しても特別区人事委員会から増額の勧告が出ていることから、一般職員と同程度の給料の増額が行われることは合理的であると判断します。

 ですが、今回の「2.89%」の増額が、新宿区一般職員の給料の増額率を大きく上回っていたとすれば、到底新宿区民の理解は得られません。確かに、新宿区特別職報酬等審議会の答申書では、特別区人事委員会勧告で、公民較差の解消するため一般職員の給与改定が月例級2.89%の増額とされていることを根拠に、そのまま2.89%の増額を区長や区議会議員の給与増額にも当てはめています。しかし、特別区人事委員会勧告の前提となる人事院勧告では、若年層が在職する号俸からおおむね30歳代後半までの職員が在職する号俸に重点を置かれていて、平均改定率は、1級(係員)で11.1%、2級(主任等)で7.6%などとなり、その他の級は改定率を逓減させつつ、引き上げ改定がなされていることを、新宿区特別職報酬等審議会の答申は見落としています。

 そこで、特別区人事委員会勧告を新宿区一般職員に当てはめた場合の、級ごとの平均改定率を、私が新宿区人事課に依頼に調査してもらいました。給料表の各号の給料月額に、その月額が適用されている職員数を乗じた級全体の合計額を、給料表の改定前後で算出し、変更後の総額を変更前の総額で除し、1から減じたデータでは、1級(係員・役職なし)6.84%、2級(主任)1.64%、3級(係長)1.24%、4級(課長補佐)0.97%、5級(課長)0.89%、6級(部長)0.92%となっています。

 つまり、今回の区長や区議会議員の2.89%の増額は、役職なしの係員以外のすべての級の新宿区の一般職員の増額率を大きく上回っているのです。新宿区特別職報酬等審議会の答申では、特別職の報酬は「その職務内容や社会的責務の重さ、区政を取り巻く社会的な情勢、他団体及び一般職員との均衡を考慮するとともに、区民からの得られるものでなければいけない」とされています。であるならば、区長や議員と均衡を考慮するのは、一般職員全体の給与増額率ではなく、区長、副区長、区議会議員同様の社会的責務の重さを担っていると考えられる6級(部長)の給与増額率であるべきです。

 今回の特別区人事委員会勧告を受け、他区でも特別職の報酬改定に関する答申が提出されていますが、新宿区同様の2.89%程度の増額率なのは墨田区、世田谷区だけで、ほとんどの区では新宿区6級の一般職員の増額率に近い約0.9%に留まっています。

 新宿区民の理解を得られるためには、新宿区特別職報酬等審議会に答申の誤りを指摘した上で、他区同様、教育長の給与増額率を一般職員の6級(部長)と均衡した0.9%に留めるべきであると考えます。

 以上の理由より、区長・区議会議員の給料があがる条例案に渡辺やすしは反対します。 なお、仮に本議案が可決された場合、条例に反対したにもかかわらず、上がった分の議員報酬額を渡辺やすしが受け取るのは矛盾ではないかという批判がくると思います。そこで、渡辺やすしは令和7年度に計180万支給される政務活動費を1円も使用しないことをお約束します。議員報酬増加額をそのまま返納することは違法ですし、新宿区以外を拠点とするNPO等に寄付することも新宿区からの富の流出という点で疑問が残りますが、議員報酬の中から政務活動に関わる費用を賄い、支給された政務活動費を全額返納することで、議員報酬増加額を大きく上回る税金が新宿区のもとに合法的に返納されるとなります。

 反対討論は、本日12月9日午後5時半くらいからを予定しております。ぜひ、インターネット中継でご覧いただけますと幸甚です。

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