議会活動

渡辺やすしが議会で初めての「演説」!区議会議員はどのような時に演説をするのか⁉

こんにちは。

新宿区議会議員の渡辺やすしです。

6月21日に新宿区議会の6月定例会が終わってから、早2週間。少しずつ、初めての議会での「成果」と議会での議員の仕事についてご報告しています。

前回は、区長への「一般質問」の成果について、分析しました。

  今回は、渡辺やすしの議会での演説について、解説します。「一般質問」との違いや「演説」の意味などをわかりやすく解説したので、ぜひ、最後までご覧ください。

 

 渡辺やすしは6月21日(水)の定例会の最後に、議場で初めての演説を行いました。このHPの記事で紹介したように、日本共産党・れいわ新選組と共同提出した「給食費無償化条例」に関する賛成立場からの演説となります。

 「一般質問」の時は、区長に向いて質問をしているのと違って、私以外の議員に向かって演説していることにお気づきでしょうか? それは「議場」での演説は、区長ではなく、議員に対して行われるものだからです。

 そもそも、議会は、さまざまな「議案」に対し、議員がそれぞれ賛否を表明して議会全体としての賛否を決定する「議決権」を有しています。この議決は、区長から提案された予算や条例の改正などに関することだけではなく(これが9割5分を占めますが・・・)、一般の方から寄せられた「陳情」や、議員から提出された「条例」や「意見書」などに対する議決も行います。

 今回の私の賛成演説は、私の一人会派「現役世代に優しい新宿」が、日本共産党・れいわ新選組と共同提出した「給食費無償化条例」の議決の直前に議会で行われました。それは、演説する議員が望む結論(今回の場合でいうと「給食費無償化条例」の賛成多数での成立)に持っていくために、議決の前に、議員一人ひとりを演説によって説得するために行われる、という仕組みになっているからです。

 ですから、区長への「一般質問」が文字通り、区長の見解を聞く「質問」であるのに対して(「一般質問」の際は議員が自分の意見を主張することは原則として禁止されています)、賛成演説は「議員」への質問ではなく、演説者の意見を開陳する一方的な「演説」として行われます。

 この演説は、原則としてはすべての議案の前に、どの議員も希望すれば行うことができます。会期中の回数制限や、時間制限もありません。ですが、新宿区議会のなんとなくな慣例として、議決前に演説を行うのは、その後の議決で負けることがわかっている「少数意見」を持つ議員であることが多いです。つまり、ある議案がなんとなく否決されることがわかっている場合は賛成の立場の議員が演説をし、なんとなく可決されることがわかっている場合は反対の立場の議員が演説をする、という具合です。採択の結果にかかわらず、少数意見をきちんと議事録に残すという意義があるのかもしれません。

 反対にいうと、この演説を行わないと、それぞれがどのような理由で、議案に賛成したのか、反対したのかがわかりません。公開されている議事録には採択結果しかわからないので、民主主義の前提である議論の深まりのためにも、賛否がわかれるような議案に対しては、どの立場の議員も演説を行うべきであると考えています。

 今回の給食費無償化条例では、私のほかに、賛成の立場である「日本共産党」「れいわ新選組」の賛成演説を行いました。また、賛成した立憲民主党&無所属クラブも、全議員に配られる文章で賛成理由を公開しました(希望すれば、演説ではなく文章で少数意見を開陳することも可能です)。



 私の賛成演説の全文はこちら記載していまが、かいつまんで概要を記載します。

 従来と変わらず、「所得制限のない子育て支援」としての給食費の完全無償化を主張を行いましたが、子ども文教家庭委員会の議論で明らかになった「公平性の観点から他の自治体と一律の無償化対応を求め、新宿区が先行して無償化をしない」という新宿区の見解を、議会は正すべきということは特に議員の方に力を込めて説得しました。

 地方議会が国をリードする事例はたくさんある。60年前の教科書無償化も、高知市議会が歌志内市議会が国に先行して行って、それを国が追随して、全国的な教科書無償化が成し遂げられました。首都東京のど真ん中にある新宿区が、国が決めたことだけに従うというのは、おかしいと私は考えます。そこで、憲法の定められた義務教育完全無償化のため、まず新宿区が給食費完全無償化を実現して、国の政策をリードすべき、と訴えました。

 給食費無償化政策が、単なる子育て施策だけでなく、「地方議会は単なる国の下請けか、それとも国をリードする存在なのか」という論点の存在を明確化したったというのが、私の演説のメイン主張となります。

 同じ条例への賛成演説でも、れいわ新選組は、「子どもの貧困対策」が主軸で、日本共産党は「区長提案で実施された第2子以降無償化の問題点と新宿区の豊かな財源」が主軸と、3会派との賛成の力点が異なっているということもポイントです。

 結果、この条例案は、反対多数で否決されました。自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党の議員の中には、選挙の際に「給食費無償化」を選挙公約としたした議員も多数いますが、反対の立場の会派からは「反対演説」がなかったので、なぜ反対されたのかは、最後まで謎のままです。議論を深めるためにも、特に選挙時に給食費無償化を公約とした議員には、反対演説を行う責務があったと私は考えます。

 ちなみに、今回の定例会で演説を行ったのは、この「給食費無償化条例」に対する3会派の賛成演説のほか、森林環境税を盛り込んだ補正予算に対する反対演説をしたれいわ新選組、「PCR検査は無効」という立場からPCR検査を予算に計上している補正予算への反対演説を議場で行いました。この2議案は私と考え方が異なりますが、議場での議論が深まり、有意義な演説だったと思います。

 議会は結局は首長に対する議案を追随しているだけだ、という地方議会全体への批判は昔から根強くあります。議案に対して、しっかりと論理だてた反論や追及をこなっていくことこそが、二元代表制のもと議員に課せられた役割です。

 渡辺やすしは、「高齢者偏重政治をやめて、現役世代に税金の使い道を変える」と主張した唯一の候補として、また、「国政政党に所属せず当選し、当選後も国政政党所属議員と会派を組んでいない」唯一の完全無所属議員として、少数意見であることを恐れず、しっかりと議会で演説を行っていきます。10月から始める渡辺やすしにとって2回目となる議会にもご注目ください!

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