議会活動

新宿区議会6月定例会 渡辺やすしの一般質問原稿を大公開!

 新宿区議会議員の渡辺やすしです。

 6月12日にいよいよ渡辺やすしにとって初めての議会が開催されます。議員は「一般質問」として、区長に直接、現状の区政を糺したり、政策提言をする機会が与えられています。もちろん、私、渡辺やすしも登壇して、初の一般質問をおこないます。

 どのテーマで各議員が質問を行うのかは、HPで公開されています。

 令和5年第2回定例会 代表質問・一般質問:新宿区 (shinjuku.lg.jp)

 

 私は、一問目には、2億円の予算をかけて60歳以上の高齢者に年間48回の銭湯代を無料にする「ふれあい入浴」の見直しについて質問します。①銭湯と高齢者の健康増進の因果関係がない、②月1回以上の銭湯利用者を世代別にみると20代30代男性が一番多いのに、高齢者だけを無料対象する理由が不明 などの問題点を指摘します。二問目には、路上喫煙対策の前提となっている新宿区の「路上喫煙率調査」では、見逃されている途上喫煙が多数存在している、という問題について、質問します。

 新宿区議会では一人会派も議会で毎回区長に質問できるますが、時間に一人9分と制約があり、だいたい2問が限度。今後も1問目は、公約に掲げた「高齢者偏重の税金に使い道をあらためて現役世代に」というテーマに沿った質問、2問目は有権者との対話によって新たに発見できた問題についての質問、という構成でいきたいと考えています。

 新宿区議会が誰でも傍聴できるほか、区議会のHPでネット中継もされています。渡辺やすしは6月13日(火)の午前中に登場予定なので、ぜひ、インターネットで見てください!

 議会に先駆けて、区長への質問原稿を以下に公開します。皆様のご意見をお寄せいただけますと幸いです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

渡辺やすし 一般質問予定原稿

(一問目:「ふれあい入浴」について 5分想定)

「現役世代に優しい新宿」の渡辺やすしです。

 税金の負担と受益に関する世代間格差の是正をテーマに議員活動を行っております。

 人が生涯にわたり、政府や自治体に対してどれだけの負担をなし、どれだけの受益を得るのかを財政的に評価する「世代会計」の推計をみると、2001年の内閣府の調査では1939年以前生まれ世代が生涯を通して5700万円の受益超過であり、70年から79年生まれ世代が1300万円の負担超過[1]となっています。2006年の吉田浩教授による推計モデルでは、世代間不均衡率は 1709.1% であり、将来世代は現在世代の18 倍以上の生涯純負担を負うことが予想されています[2]

 新宿区においても、納税者でもある現役世代が納得感を抱くために、税金の使い道についても世代会計の格差を是正するとともに、高齢世代に対する住民サービスに対しても地方自治法第2条第14項が規定する「最小経費で最大の効果」があるかを適切に検証していく必要があると考えます。

「高齢者のいきがい事業及び敬老事業」として総予算4億5284万2千円が計上されています。①世代間格差の拡大につながる②効果検証が困難である、という点から見直すべき事業が多いと考えますが、本日は「ふれあい入浴」に絞って見解をお聞きします。

 「ふれあい入浴」は60歳以上の方のほか、身体障碍者手帳をお持ちの方や、児童育成手当を受給している方に対し、「新宿区ふれあい入浴証」を交付し、年間最大48回の銭湯代金を無料にする制度で、2億3621万8千円の予算が計上されています。令和4年度では30120枚の入浴証のうち、28138枚が60歳以上の方に交付されていて、高齢者の方の健康増進・交流ふれあいが主目的であると考えています。

 ですが、この2億円以上の予算が高齢者の方の健康増進に本当につながっているのか、という効果検証が大事です。令和4年の決算特別委員会での地域包括ケア推進課長の答弁では早坂信哉教授の研究[3]をエビデンスとして挙げられています。確かに、この研究では週2回4週間の銭湯通いで足腰腹部の筋肉の機能やバランス機能の改善が認められています。しかし、その理由としては銭湯利用のための外出歩行や、多くの人が当然に銭湯で行うことが考えづらい、浴槽内での運動が身体能力改善の要因とされていて、銭湯入浴と健康増進の直接の因果関係を証明しているとは言えません。歩くことによる健康増進としては、別に、「健康ポイント事業」が、全年齢を対象に、2億78万1千円の予算で行われており、こちらに一本化するのが「最小経費で最大の効果」のある税金の使い道ではないでしょうか。福祉部と健康部の縦割り行政の弊害により、歩行による健康改善施策を二重に行うことは税金の無駄使いに他なりません。

 また、「ふれあい入浴」の受益者に世代間で格差があることも問題です。株式会社プラネットによる銭湯スパに関する意識調査[4]によると、銭湯を月一回以上利用する層を世代別に見ると、20代・30代の男性が最も多いことが判明しています。銭湯ブームにより、所得が相対的に低い若い世代に銭湯愛好者が増える中、高齢者の方のみに所得制限をつけず銭湯代金を無料にすることは、世代会計の格差につながります。さらに、「ふれあい入浴」を銭湯振興策と考えた場合も、生涯に渡り銭湯愛好者となる可能性がある若い世代を呼び込むほうが、効果は高いと考えます。

 ここで5点質問します。

  • 日本全体として税金の負担と受益に関する世代会計における格差が拡大しているという認識をお持ちですか?その上で、新宿区でも税金の使い道に関し、世代会計による格差を是正する必要を感じていらっしゃいますか?
  • 「ふれあい入浴」は高齢者の方の健康増進という目的に対して、「最小経費で最大の効果」をあげていたとお考えですか?
  • 「ふれあい入浴」の政策効果を測定していくために、銭湯での入浴と健康増進効果の因果律を検証する科学的な調査を行うべきだと思いますが、いかがでしょうか?
  • 歩行による健康増進という効果しかないのであれば、「ふれあい入浴」を見直し、「健康ポイント事業」に一本化すべきと考えますが、いかがですか?
  • 世代間格差を是正するため「ふれあい入浴」を見直し、全世代を対象とする銭湯振興策へと転換するお考えはありますか?

以上、ご答弁お願いします。

(2問目:路上喫煙について 4分想定)

 次に路上喫煙について質問します。

 新宿区では路上喫煙調査を2005年から開始し、2018年から現行の調査方法に改められました。駅周辺調査地点40か所、生活道路調査地点30か所で、午後2時から3時までの間に通行者と路上喫煙者の数をカウントし、同じ調査地点を続けることで、路上喫煙率の推移を把握し、路上喫煙対策の効果検証のツールとして活用されてきました。最新の調査によると、駅周辺は0.08%、生活道路が0.27%の喫煙率で、それぞれ目標とされている0.1%、0.5%を下回っています。

 しかし、この路上喫煙調査では把握できない暗数が多くあるのではないでしょうか。

 具体的に、2か所、1時間における喫煙者と通行者の数を私がカウントしました。昨年4月19日にAbemaTVで路上喫煙多発地帯として報道された西新宿の都庁通り近く、KDDIビル近くの路地では正午から1時にかけ52人中4人(7.9%)の路上喫煙を確認しました。また、未成年の一斉補導で多数喫煙が確認されている歌舞伎町シネシティ広場前では、深夜1時から2時にかけて、458人中30人(6.5%)の路上喫煙を確認しました。

 両地点とも生活道路調査地点には指定されていません。この2点で喫煙率が高い背景としては、KDDIビル裏手の路地では2019年に都庁の喫煙所が閉鎖されたこと、歌舞伎町シネシティ広場前では2019年から多くの若者が集うようになったことが、考えられます。つまり、2018年に現行の路上喫煙調査が開始して以降、喫煙者が増えた場所であるため、路上喫煙の暗数となったのではないでしょうか。

 この2地点は代表的な例にすぎず、さらに多くの、現行の路上喫煙調査では把握できない路上喫煙数が新宿区には多く潜んでいると推察されます。

 路上喫煙対策を「最小経費で最大の効果」で実施するためには、路上喫煙率調査は必要不可欠です。しかし、路上喫煙数を誤って把握すると、正しい路上喫煙対策を行うことはできません。従来の路上喫煙率の調査方法を見直すべきであると考えます。

 ここで、3点質問します。

1.昼休み帯の西新宿KDDIビル横の路地、深夜帯の歌舞伎町シネシティ広場前で、路上喫煙が多数発生していることを認知されていますか?またこの2か所以外にも、路上喫煙率生活道路調査地点に指定されていない路上喫煙多発地域を認知されていますか?

2.路上喫煙調査に際しては、従来の定量的な定点観測に加え、路上喫煙禁止パトロールや、区民への定性的な聞き取り調査をもとに、隠れた路上喫煙多発地域・時間帯を断続的に見つけ、新たな路上喫煙調査地点に加えるお考えはありますか?

3.新たな路上喫煙調査方法により、新宿区の実際の路上喫煙率が従来も目標値より高いことが判明した場合、路上喫煙対策を見直されるお考えはありますか?

以上、ご答弁お願いします。


[1] 内閣府(2001)「平成13年度年次経済財政報告」

[2] 吉田浩(2006)「世代会計による高齢化と世代間不均衡に関する研究(改訂版)‐2000 年基準による世代会計推計結果‐」高山憲之編『少子化の経済分析』東洋経済新報社 P166-189

[3]早坂信哉(2022)「調査で判明 週2回の銭湯通いで身体機能がアップ」東京都公衆浴場業生活衛生同業組合連合会

[4] 株式会社プラネット「銭湯・スパに関する意識調査」(https://www.planet-van.co.jp/shiru/from_planet/vol157.html 2023年6月5日閲覧)

「区議会議員と飲めるバー」オープン&フリーマーケットに住民相談ブースを出します!前のページ

新宿区の給食費支援には所得制限が! 所得制限なしの「給食費無償化」のため、議員提案条例を提出しました!次のページ

関連記事

  1. 議会活動

    新宿区議会議員の住所公開は選択制になりました

    高齢者偏重政治にNO!20代から50代が主役の新宿区に。…

ピックアップ記事

  1. 新宿区の住民サービスはあまりにも高齢者偏重です。

最近の記事

PAGE TOP