議会活動

児童扶養手当受給者の約9割が養育費を受け取れていない、「新宿区の養育費不払い問題」を議会で追及します!

こんにちは。

新宿区議会議員の渡辺やすしです。

2月24日から新宿区議会令和8年第一回定例会が開催されます。

渡辺やすしは午前10時15分から代表質問を行います。インターネット中継もあるので、ぜひご覧ください。

今回のテーマは「令和8年度予算案と新宿区財政について」「約9割が養育費を受け取れていない、新宿区の養育費不払い問題について」。本日は後者について、まず、解説します。

 令和4年厚生労働省の国民生活基礎調査によると、子どもがいる現役世帯のうち大人が一人の世帯の貧困率は、44.5パーセントと極めて高い状況にあります。もちろん、所得制限があることで児童扶養手当が必要とされている家庭に十分に行きわたっていないという問題なども存在しますが、養育費不払いの問題も見逃せません。

 新宿区においては、児童扶養手当の「現況届」を通じて、養育費の受け取りの状況の把握を行っていますが、児童育成担当課によると、令和7年12月末で、児童扶養手当認定者1,596人のうち、養育費を受け取っているのは218人と、わずか13.7%です。厚生労働省の令和3年度全国ひとり親世帯等調査によると、母子世帯のうち養育費の支払を受けている世帯が約28.1%ですから、前提条件が異なるとはいえ、養育費不払いは新宿区においてより深刻であると考えます。

 養育費の不払いは当事者であるひとり親世帯の貧困につながるだけでなく、本来、非監護親が負う法的な義務である養育費が支払われないことに起因するひとり親へ公的支援に税金が使われているということに対し疑問を抱く納税者も多いと考えます。

 民法第766条1項、877条1項では、子の監護に要する費用の分担や、監護親から非監護親への請求権が定められていて、本来、養育費の支払いは法的な義務です。そして、養育費の支払いは当事者間で協議するものとされていますが、協議ができないときは家庭裁判所の審判等によって定めることができます。また、養育費の取決めをしたものの、任意の支払がない場合は、権利者において、養育費について債務名義を取得したうえで、強制執行の手続を利用して回収することもできます。しかし、このような法的な制度が整っているにも関わらず、我が国や新宿区で、養育費の不払いが横行している背景には、法的知識のない方が、調停、審判、強制執行等の裁判手続を踏むことは容易ではない事や、仕事や子育てで多忙なひとり親が平日の昼間に何度も裁判所に出頭することも難しい事があると考えます。そこで、ひとり親に対しては、既存の法的制度に適切にアクセスさせる法的支援や紛争解決支援が、児童扶養手当のような福祉的支援とあわせて重要です。

 代表質問ではこれらの前提にたった上で、「区は、新宿区で養育費の不払いが多い理由をどのように分析されていますか?適切な養育費を確保させるため、ひとり親に対する法的支援や紛争解決支援の必要性を認識されていますか?」と区の養育費9割不払い状況への認識を聞きます。

 確かに、新宿区では養育費確保支援事業として、「公正証書等作成費用の補助」、「戸籍抄本等の書類取得補助」、「弁護士による法律相談費用の補助」を行っています。しかし、令和5年度はそれぞれ6件、1件、5件、6年度は6件、1件、4件の利用実績に留まっています。新宿区議会事務局の調べによると、「公正証書等作成費用の補助」を実施している23区の平均利用実績は令和5年度17.2件、6年度19件ですから、他区と比較しても利用実績は少ないと言えます。

 元配偶者と関わりたくないなどの理由で、養育費を受け取ることを望まないひとり親も相当数いることは承知していますが、令和7年12月末で新宿区の児童扶養手当認定者のうち1378人が養育費を受け取っていないことに鑑みると、養育費確保支援事業を利用している区民の割合はあまりに低いと考えます。

 新宿区では、児童扶養手当新規申請者をひとり親相談窓口へとつなげ、母子・父子自立支援員のほか、家庭裁判所調停員の経験などを有する家庭相談員が法的支援へと繋げています。養育費を受け取るための法的知識が十分でないひとり親の悩みをまずは家庭相談員が論点整理し、法テラスなどでの弁護士による法律相談へと繋げています。

 以上の問題意識を前提とした上で、「初対面の弁護士に対し家庭内の事情を打ち明けることに気おくれを感じさせないために、従前から相談に乗ってきた家庭相談員が法律相談に同行したり、弁護士への相談後に、ひとり親相談窓口での聞き取りが十分だったか相談者からフィードバックをもらって改善に努めたりするなど、さらなる伴走型支援の質的充実を図るのはいかがでしょうか?」と事業の利用者増加につながる提案を行います。

 また、現在の新宿区の養育費確保支援事業は、養育費に関する公正証書を作成する時点までですが、その後、養育費を支払われなかった場合の、強制執行申立ての支援も行うべきです。公正証書で定められているにも関わらず、不払いとなっている養育費を確保するための強制執行には、執行機関への申立書を提出しなければなりません。しかし、弁護護士や司法書士のような法律文書の作成に関する素養がある人でなければ、この申立書の作成は困難で、養育費の回収を諦める事例は少なくありません。「そこで、伴走型支援として家庭相談員による申立書の作成補助を行ったり、中央区や世田谷区のように、強制執行申し立てに関する弁護士費用を助成したりすることも検討されませんか?」と提案を行います。

 さらに、養育費確保には裁判外紛争解決手続(ADR)も有効です。ADRとは裁判所での訴訟ではなく、第三者の専門家が中立な立場で話し合いを仲介し、民事上のトラブルを解決する手法です。令和6年4月1日に改正ADR法が施行され、養育費に関する合意書をADRで作れば、不払いが発生したとしても、強制執行ができるようになりました。平日の昼間しか開いていない家庭裁判所と異なり、夜間や土日祝日に対応しているADR機関も多く、平日は子育てや仕事で忙しいひとり親にとっての利便性は高いと考えられます。さらに東京弁護士会の「養育費ADR」のように、養育費に特化して手続きをシンプルにしたADR機関では、解決スピードが速く、心理的圧迫が少ないことから、特に、低葛藤の離婚事案における養育費の取り決めが円滑化する効果が期待されています。令和6年度に、同事業が行われた特別区のうち、7区で利用実績が0件でした。一般に耳馴染みがないADRを利用してもらうためには、告知により力を入れることが重要です。

 「令和2年第四回定例会でも田中ゆきえ区議が提案し、現在は23区中16区ですでに行われているADR利用料補助事業を、新宿区でも行いませんか?事業を告知する際には、家庭裁判所での調停と比較した場合のADRのメリットなどをわかりやすく区ホームぺージで解説するほか、ひとり親家庭に伴走する母子・父子自立支援員や家庭相談員にもADRに関する研修を行うのはいかがでしょうか?」と提言を行います。

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