議会活動

新宿区の年間42億円の「赤字」解消は、特別会計の税金の無駄遣いの削減から!渡辺やすしの、9月24日の代表質問の内容を解説!

こんにちは。

新宿区議会議員の渡辺やすしです。

9月24日(水)より、新宿区議会令和7年第三回定例会が開催されます。渡辺やすしは、同日、午後1時15分から代表質問に登場します。(時間変更の場合あり)ネット中継もあるので、ぜひご覧ください。

 9月議会では、令和6年度決算審査がおこなわれ、また令和8年度予算編成作業も進められています。

 

以前、このHPでも解説したように、新宿区の財政は2年連続「赤字」という状況にあり、この点に関する危機意識と、渡辺やすしがエビデンスに基づいて導き出した具体的な歳出改革による財政再建提案について、区長に糺します。

 少しマニアックな話も続きますが、財政に関する質問内容をできるだけわかりやすく解説します。「ハトの餌やりにおけるフン害対策」の質問については後日、あらためて解説します。

 令和6年度新宿区決算では、実質単年度収支が42億1721万7千円の赤字となり、令和5年度に続き、2年連続の赤字となりました。この「赤字」の穴埋めは、基金という一種の新宿区の「貯金」からの取り崩しで賄われています。しかし、令和6年度末の基金残高は577億円となり、令和4年度末に比べ114億円減。緊急時の補正予算などで機動的に活用されるべき財政調整基金も271億円と、令和4年度末から大きく減少しています。

 我が会派として、このような新宿区の財政状況は、「現役世代に優しくないもの」であるという危機感を抱いています。なぜなら、今と同規模の「赤字」を続ける歳出規模は、持続可能ではないからです。仮に今後の予算編成において、令和6年度と同規模の「赤字」の穴埋めをすべて財政調整基金から行ったとすると、近い将来、底をつくことは明らかです。それ以降の財源のあてはないため、現在と同規模の歳出規模を維持することは数学的に困難です。

 我々、議員や区長の任期が終わったあとも、現役世代の区民の人生は続きます。しかし、現状のままですと、5年後以降、現在と同規模の行政需要に応えた事務事業を維持することができません。一刻も早い、既存の事務事業の見直しが急務です。

 以上のような認識を前提として、区長にはどの程度、危機意識を抱いてているのかを質問します。

 「まず、最初に2年連続の実質単年度収支の赤字となり、財政調整基金から大幅な取り崩しが行われた令和6年度新宿区決算を踏まえた、現在の新宿区の財政についてどのような危機感を抱いているのかお聞かせください。仮に、令和6年度と同様に財政調整基金80億円の取り崩しを、基金から穴埋めするとしたら、基金はいつ底をつきますか?令和6年度のような年間80億円の財政調整基金の取り崩しを前提とした予算編成を今後も続けていくことは、持続可能だとお考えですか?基金の取り崩しなどの税源不足額を前提とした「赤字」予算が持続可能でないとすれば、現在行われている令和8年度予算編成においては、歳入確保と合わせて、令和7年度予算編成と同様の安易な前例踏襲に陥ることがない事務事業の抜本的な見直しが必要と考えますが、いかがでしょうか?」

 この質問によって、新宿区の財政に関する一定の危機意識の共有を確認した上で、財政を健全化するための、具体的な歳出削減策へと議論は移ります。

 前例踏襲に陥ることのない事務事業の抜本的な見直しにおいては、執行率が低迷している事業における予算額の削減が重要であると考えます。決算不用額が多い事業に予算において張り付けたお金は、別の事業に張り付けられたかもしれない一般財源から支出されることになり、限られた財源の効率的な分配という観点からすると、不用額は一種の税金の無駄遣いとも言えます。

 新宿区では財政課による高い執行率を目指す2つの予算査定によって、効率的な予算編成を目指しています。具体的には、個別の予算要求を詳細に審査する「一件査定」と、各部局に一定の予算枠をあらかじめ示し、その枠の中で各部局が自らの裁量で予算を編成する「枠配分予算」で、「一件査定」は目標値を明確に区が優先して推進していく計画事業のすべてと、必ずしも目標値が明確ではなく区民ニーズに関わらず継続しなければいけない経常事業の一部に対して行われ、「枠配分予算」は大半の経常事業が対象です。

 大半の経常事業に対する「枠配分予算」では、一律で削減額を設定する決算不用額精査が有効に活用されていました。令和7年度予算編成においては、令和5年度決算で執行率が95%未満、不用額200万円以上の事業について、執行率に応じて削減率を設定し、予算削減を実行されました。令和6年度予算編成においては2年連続執行率95%未満とされた基準が、令和7度は単年で執行率95%未満とその基準を厳しくすることで、令和6年度の2億4,300万円と比較して、6億円以上多い8億6,900万円の歳出削減が実現しました。私はこの点を高く評価していますし、令和8年度予算編成においても、令和6年度決算で執行率が95%未満、不用額200万円以上で枠配分予算の対象となる事業については一律で決算不用額精査を行うべきだと考えています。

 しかし、一方で、新宿区の予算査定においてはいまだ課題も残されています。一件査定は、枠配分予算とは異なり財政課が事務事業を詳細に審査するので、本来は査定の精度は高いはずです。ですが、枠配分予算と異なり、決算不用額精査のような第三者が一律で検証可能な削減目標がないため、執行残がある事務事業が見つかりづらいという問題があります。

 渡辺やすしは、本年3月の予算特別委員会に委員として参加し、委員に与えられた権限である予算特別委員会資料要求を活用し、令和5年度特別会計決算における執行率が低迷する事務事業の存在が明らかにしました。具体的には、加入者から集める保険料ではなく、一般会計繰入金を財源とし、法定受託事務ではなく、新宿区独自の判断で行う自治事務である事務事業のうち、決算不用額精査の基準である執行率が95%未満、不用額200万円以上の主なものを執行率とあわせて列挙すると、国民健康保険特別会計では事務費(37,550,562円、84.9%)、くらしと国保の発行(2,285,142円、86.6%)、非肥満のリスク保有者に対する保健指導(2,031,388円、70.7%)、糖尿病性腎症等重症化予防事業(2,822,523円、37.9%)、介護保険特別会計では一般事務費(15,537,147円、81.9%)、新宿区後期高齢者医療特別会計では事務費(7,001,508円、84.2%)、入院時負担軽減支援金(19,240,000円、69.6%)がありました。

 代表質問での、区議の質問権を行使し、区長に対し、令和6年度の特別会計3会計決算において、一般会計繰入金を財源とし、自治事務である事務事業のうち、決算不用額精査の基準である執行率が95%未満、不用額200万円以上の事業名、執行率、不用額、あわせて同3会計において、一般会計繰入金を財源とし、自治事務である事務事業のうち、不用額が200万円以下で執行率が70%を切るものについても、事業名、執行率、不用額を明かすように求めます。

 令和5年度同様の執行率が低い事務事業が令和6年も散見されている事実を明らかにした上で、歳出会改革について、以下を厳しく追及します。

 「新宿区特別会計3会計の決算において、新宿区が目標と掲げる執行率95%を2年連続で割り込んだり、執行率が70%を切るなど著しく低かったりする一般会計繰入金を財源とする事務事業が散見されることに、「限られた財源の効率的な分配」という観点から、課題意識はお持ちですか?新宿区としては、「枠配分予算」の対象には一律で「決算不用額精査」をかけ、そこから漏れた対象は「一件査定」をかけるという予算査定を編成時に行ったはずですが、なぜ、執行率が低い事務事業が特別会計の中に残されたとお考えですか?

 このような現状を踏まえ、令和8年度予算編成においては、決算不用額精査がかかる枠配分予算の対象とならない事務事業のうち、令和6年度決算で執行率95%未満、不用額200万を上回ったすべての事務事業をあらかじめ洗い出して、一般会計、特別会計を問わず、「一件査定強化事業」とし、厳格な予算査定を行われませんか?また、議会や納税者たる区民が執行率の低い事務事業による税金の無駄遣いがないかを監視できるようにするため、区ホームページで公開予定の「令和8年度予算の概要」の中の、「事務事業の見直し」の項において、令和6年度決算をもとに決めた「一件査定強化事業」の予算額を、令和8年度予算ではどの程度見直したのかを明らかにされるのはいかがでしょうか?」

 こちらの問題意識は、予算特別委員会でも提出した予算修正案にも通じるものです。渡辺やすしの歳出改革案への区長の反応は!? ぜひ、ネット中継でご確認ください。

 

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