基本政策

未成年売掛禁止条例&業界の自主規制の両輪でホスト売掛金問題に新宿区は向き合うべきです!

こんにちは。

新宿区議会議員の渡辺やすしです。

先日、日本維新の会新宿区議団より新宿区の売掛金規制条例の成立のための議論を求める申し入れが、各会派に対して行われました。

 

 

 ホストクラブの売掛金については、「青少年を守る父母の連絡協議会」は「ホストの売掛禁止条例」を求める署名活動を開始し、話題となりました。https://nippon-kakekomidera.jp/seiboren/index.html また、多くのメディアでも「ホストクラブの売掛金」が社会問題として報道されています。https://www.asahi.com/articles/ASRCH4V9LRCHOIPE00L.html

 さらに国会においては、11月9日に参院内閣委員会で塩村文夏議員が「悪質ホスト問題」として取り上げ、消費者庁から「売掛は取り消しうる可能性がある」、国家公安委員長から「常識的に考えて問題」という答弁を引き出しました。https://diamond.jp/articles/-/332228

 

 

 渡辺やすしも、11月1日のインターネット放送局AbemaTVのアベプラに生出演し、ホスト売掛金規制について自らの考えをお話しましたが、放送時間の関係で、すべてをお話できませんでしたので、この記事で詳細を解説いたします。

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 そもそも、「ホストクラブ問題」については、①売掛金システムによって、さまざまな方法で、「本人が希望しないにも関わらず」高額の債務を背負わされ、結果として売春などが強要されているという違法状態が蔓延している現状を政治がどう解決するか、という側面と、②自ら望んで、ホストクラブに通って大金を使いたいという顧客の自由意志と、ホストクラブ経営者およびホストクラブから業務委託を受けているホストの(自分が望んだ仕事をしたい)という経済的自由を、自由主義国家としてどう担保していくか、という2点を分けて考えることが前提になると考えます。私は政治家として①の立場からホストクラブの売掛金規制を行うべきだと考えますが、②の自由権をいかに担保するかという視点も忘れてはならないと考えます。

 ②に該当するホストクラブ顧客の中には、自ら望んで売春をし、大金をホストクラブに支払う方も現実的にはいらっしゃいます。そのような選択をする人々に対し、当事者の親御さんや友人などが反対されていることは承知しています。もちろん、親御さんや友人が、当事者に対し忠告する権利はあるでしょう。しかし、政治家や国家や新宿区にはその権利はありません。18歳を超えて成人し、正常な判断能力を持つと法律上定められている人が、どのような人生を選択するかは、本人がどのように生きる人生を幸せであると感じるかという人生観の問題であり、自由意志に基づくその「価値観」を政治が批判・矯正・強要することは、自由主義国家として絶対に許されません。ホストクラブに関わらず、大酒を飲む、賭け事に大金を使う、収入を越えた高価な衣服を買う、ソーシャルゲームに大金を課金するなど、自由主義国家の日本で暮らす人々には、日本人の大多数が「良識的でない」と判断する行為を、(法律を守り、他人の迷惑をかけない範囲で)行うことができる「愚行権」があります。太平洋戦争前の日本のように、政治家や国家がその時々の多数派とされる人々の「良識」に基づき、特定の価値観を一個人に対して押し付けることは絶対に許してはいけません。

 以上を前提としたうえで、(A)「未成年や、酩酊状態、強要など、契約取り消しができる状態での、ホストクラブ等での売掛を規制する条例」を制定する、(B)未成年や酩酊状態での契約取り消しのための弁護士への相談窓口を新宿区が充実させる、(C)新宿区がホストクラブに対して、自主規制団体を作り、売掛金の総量規制を行うように要請する、ことにより①の本人の意志に反して高額の売掛金契約をホストの結ばされているという社会問題を、政治的に解決するべきであると考えます。以下、項目ごとに詳細を述べます。

(A)未成年者&酩酊状態でなされた売掛金を条例により規制する

 私は「18歳未満」または「酩酊・強要」された状態での飲食店の売掛金のみ規制する条例を制定するべきだと考えます。一方で、日本維新の会新宿区議団が提案する新宿区の飲食店の売掛金を一律規制する条例、および「青少年を守る父母の連絡協議会」が提案する新宿区の25歳以下の人間すべてに対するホストクラブに限定した売掛金規制条例は、憲法および法律に違反するため、条例制定は困難であると考えます。売掛自体はホストクラブだけでなく、男性が顧客である銀座のクラブや祇園の花街などでも行われている行為ですし、そもそも車のローンなど「後払い」により物品を購入するシステムはたくさんあります。そもそも、民法においてあらゆる私人同士の合意がある契約を認められている以上、新宿区でのみ、対象をホストクラブに限定したり、契約ができる年齢を25歳以下に限定したりして、規制をかけることは「法の下平等」の理念に反するからです。憲法もしくは法律に違反する条例を制定することは、どんなにその目的が正しくても不可能です。

 

 一方で、18歳以下の未成年が結んだ契約については、現在の民法では契約の取り消しが認められています。これは、ホストクラブの売掛金だけに限らず、未成年の借金や、商品の購入に関しても同様です。さらに、ホストクラブに未成年を入場されることは風営法に違反します。また、酒に酩酊させた契約をさせることや、強要された契約も民法上、取り消しが可能です。ですが、ホストクラブで自分の意志に反して高額売掛金を結ばされた人々は、このような状態での契約取り消しができることを知らない人も多いです。そこで、すでにある法律に違反している状態を、「上乗せ条例」として、条例でも罰則を設けることで規制することで法律を実体化させると同時に、一緒の理念条例としても「未成年・酩酊状態・強要された売掛契約は無効で、取り消せる」ということが広く区民に知れ渡るというメリットがあると考えています。具体的には条例内容としては、18歳未満・酩酊状態・強要された状態で、売掛契約をすることを禁止し、違反した場合は行政罰として過料および店名の公表をすることを構想しています。

(B)未成年や酩酊状態での契約取り消しのための弁護士への相談窓口を新宿区が充実させる

  前述のように、ホストクラブで未成年や酩酊状態で、自分の意志に反して契約させられた売掛金は契約取り消しができます。つまり、払わなくていいわけです。ですが、これは弁護士を通して、相手方に対して、契約取り消しを認めさせることが必要ですが、弁護士との縁がなかったり、そもそも取り消しができるということを知らなかったり被害者が多数だと思います。新宿区では現在、弁護士による無料法律相談を行っていますが(https://www.city.shinjuku.lg.jp/kusei/kocho01_000109.html)、これをホスト関連のトラブルに特化した相談会を行い、告知することが大事だと考えます。未成年や酩酊状態など民法上取り消しできる行為を弁護士を通して取り消すことが常態化することで、ホスト側も未成年や酩酊状態での契約を最初からしないようにするという効果もあります。

(C)新宿区がホストクラブに対して、自主規制団体を作り、売掛金の総量規制を行うように要請する

 売掛金を条例により規制しても、私人同士で金銭を貸すことまでは規制できないので、結局は店前でホストが客に私的にお金を貸すということが常態化し、条例から逃れる方法はいくらでもあります。結局はホストクラブが自らの意志で、売掛をやめるように自ら自制するほか根本的にこの問題を解決する方法はありません。新宿区として(A)(B)を実行していくほか、「青少年を守る父母の連絡協議会」の署名活動などにより、ホストクラブの高額の売掛に対し、疑問視する世論を盛り上げていくことが大事です。その上さ参考になるのは、アダルトビデオ業界の例です。アダルトビデオ業界ではAV人権倫理機構「AVAN」という第三者を入れた自主規制団体を作り、自ら契約に際して規制をすることで、人権を無視したアダルトビデオに対する世論の批判に応えてきました。ホスト業界もホストクラブが同様の自主規制団体を作って、団体内で売掛金の総量規制を行い、違反した店舗に対しては自主規制団体内で店名を公開するなどの措置をとるように、新宿区として要請することが必要だと考えます。

 以上が、新宿区議会議員である渡辺やすしの、社会問題化するホストクラブの高額売掛金問題についての解決のための現段階の私案になります。ですが、条例制定にせよ、自主規制を促すにせよ、具体的な施策を行う前提として、高額な売掛金の被害者、法律の専門家、ホストクラブ経営者などさまざまな当事者に区議会としてヒアリングを重ねることが大事だと考えます。この問題に対しては日本維新の会新宿区議団も申し入れ書の中で、区議会全体として議論すべきであると述べていました。イデオロギーで対立するような論点ではないので、区議会全体が一つのチームとなり、対処していくことが大事だと私も考えます。具体的には新宿区議会で条例制定のための特別委員会を作り、区議会全体として当事者にヒアリングを行い、二元代表制の一翼を担う存在として、区長に条例提案や政策提言を行うべきです。私自身も、引き続き研究を重ねていき、進展があるたびにこのHPで報告させていただきます。皆様のご意見もお聞かせいただけますと幸いです。

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