議会活動

新宿区の住民税非課税世帯に3万円配るのに、かかる経費は2億円!国からの支出金では足りず、新宿区独自財源から1800万円の持ち出しも発生‼ 乱発される給付金の問題点を解説します!

 こんにちは。

 新宿区議会議員の渡辺やすしです。

 物価高騰を受けて、国は、補正予算を組んで、住民税非課税世帯に3万円を配ることが決まりました。これは、今までのコロナ禍での給付金同様、新宿区に国から金がおりてきて、新宿区が対象者に配るシステムになります。そこで、新宿区議会としては、この給付金を支給するための補正予算を組んで、明日27日に臨時議会を開いて議決することになりました。以下がこの補正予算の資料となります。

 新宿区では対象となる住民税非課税世帯は約7万3000世帯いることになり、各世帯に3万円配るので、合計約26億円が国庫から支出されます。ですが、この資料をよく見ればわかるように、お金を配るための事務費として約2億700万円の事務費(経費)がかかっています。

 これももちろん、税金です。事務費の具体的な内容としては給付金を各区民の口座に振り込むための人件費や、給付金の案内を発送するためのお金などに使われます。この事務費も国庫支出金なのですが、事務費として支出される税金には上限あって、対象世帯数×2500円です。新宿区では人件費が高いことなどもあり、事務費が対象世帯数×2500円の上限金額に収まらず、新宿区独自財源から1800万円を持ち出すことになりました。

 国が決めたお金を、国の支出でばらまくだけと思いきや、しっかりと新宿区民の税金も使われているのは新宿区議会議員としては看過することはできません。

 この給付金はコロナ禍でも何度も乱発されており、令和5年度の物価高騰対策給付金では、新宿区独自の加算を住民税非課税世帯に対し行い、独自財源から33億円を切り崩し、実質単年度収支が11年ぶりと赤字となるなど区財政を大きく圧迫することになりました。

 渡辺やすしは決算特別委員会でも、この給付金の問題点について追及しました。

https://smart.discussvision.net/smart/tenant/shinjuku/WebView/rd/speech.html?council_id=78&schedule_id=4&playlist_id=10&speaker_id=61&target_year=2024

 新宿区議会のHPに残っているこちらの動画の開始10分からが、給付金に関する追及です。

 大まかにいうと、①10%が経費で消えるなど、減税に比べて、対象者の手元にいきわたらずに消える税金が多すぎる、②対象世帯7万3000世帯の中で、18歳以下の子どもを育てるの世帯はわずか2600世帯に留まるなど高齢世帯に給付が偏る、③支給対象は前年度の所得により決定するので、極端な話、資産が1億円あってそれを切り崩して悠々自適な生活をしていたとしても、給付金が支給され構造にあり、資産が少なく所得が相対的に多い現役世代ではなく、資産が相対的に多く所得が少ない高齢者世代のみに給付が偏る構造がある、という理由で、この給付金は本当に生活が困窮している新宿区民にいきわたらず、多くの税金の無駄使いも発生している愚策であると渡辺やすしは考えています。

 さらに、大きな問題もあります。

 こちらの資料を見ていただけとわかるように、新宿区では住民税非課税世帯の約30%が外国人世帯です。誤解していただきたくないのは、私は外国人世帯に給付金を支給すべきではないと主張はしていません。ただ、海外から転入した人は本当に生活が困窮しているかどうかがきちんと判断されていないとこを疑問視しています。

 令和5年度の給付金を例にとると、海外から新宿区に住民票を移した人は、日本人1,290人、外国人1万741人います。住民税が非課税かどうかということは、令和5年1月1日の段階の前年度の所得で決められます。国内の区外から転入した場合は、昨年度の所得は把握できますが、海外から転入した場合は、前年度の海外での所得は把握することはできません。ということは、1月2日から12月1日の間に、海外から新宿区に住民票を移したら、これは日本人でも外国人でも、どちらでも非課税世帯にカウントされ、給付金がもらえることになります。例えば仮に、令和4年は大企業の駐在員としてアメリカに赴任して高額の報酬をもらっていたけれど、日本本社に異動になって、令和5年1月2日から新宿区に転入し、引き続き企業から高額の報酬がある場合も、住民税非課税世帯となり、給付金がもらえます。これでは、本当に困っている人に給付金が渡っているとは言えず、多くの納税者の納得を得られないと考え、直近1年間に転入し、所得が把握できない区民は給付金対象から除外するべきであると、渡辺やすしは主張しました。

 今回の給付金で言うと、令和6年1月2日から12月13日に海外から転入してきた住民(外国人・日本人問わず)は、前年度の所得が把握できないということになります。令和5年の給付金では、海外から転入し、前年度の所得が把握しない人にも給付すべきという国の方針を受けて、新宿区でもそれらの人々に給付を行いました。ですが、今回の給付金では国の方針は、「海外から転入していて所得が把握できない人への給付の可否は自治体に任せる」ということです。そこで、新宿区総務課に取材したところ、今回の給付に関しては、新宿区の独自判断として、海外から直近1年間で転入し、前年度所得が把握していない人は対象には含めないとのことでした。

 渡辺やすしが決算特別委員会での主張も一部認められたと言え、新宿区の今回のこの対応については、一定の評価をします。

 明日12月27日の臨時会でも、残された給付金の疑問点を主張するとともに、本当に困っている現役世代へ救いの手が届きずらい、給付金という制度と、今後も渡辺やすしは戦い続けていきます!

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