無所属新人議員の歩み

新年会の誘いが30件!?地方議員が各種業界団体の新年会に出席する背景と、渡辺やすしがほとんど欠席する理由を解説!

 あけましておめでとうございます。

 新宿区議会議員の渡辺やすしです。本年もよろしくお願いします。

 さて、新年は会社や友人同士の集まりでも、新年会が多く開催されます。新宿区議会議員というより地方議員も例外ではありませんが、その回数は世のサラリーマンより段違いに多いです。

 私は地縁なし、政党無所属、議員2年目という立場ですが、それでも新宿区の業界団体、商店街、町内会、消防団などの新年会にお誘いをいただき、本年度は20通の招待状をいただきました。もちろん、私だけが招待されているわけではなく、全区議会議員に同様のお誘いが届いています。私はお誘いがかなり少ないほうで、国政政党所属議員の場合平均30件、当選を重ねて顔が広い議員になると約70件のお誘いがあると聞きました。

 これらの新年会に出席は任意ですし、公務でもありません。ですが、現実問題として多くの地方議員はこれらの会合に多数出席していますし、皆さんも業界団体の新年会などで地方議員を見かけたことは多いと思います。ですが、渡辺やすしは、これらの会合にほとんど欠席しています。それは、渡辺やすしの政治活動をする上で、各種業界団体との会合への出席は「費用対効果が悪い」と判断したからです。新年一発目の記事では、これらの「費用」と「効果」の内情をつまびらかにし、地方議員の仕事の一部を見える化していきます。

 まずは、費用についてです。

 よく誤解されているのですが、地方議員はこれら各種業界団体との新年会に無料で招待されているわけではありません。無料で招待されると、自分が飲食したものをタダで提供されることになるので、公職選挙法上問題があるため、それぞれ定められた会費を払って参加しています。議員は政治活動の経費として「政務活動費」を給料とは別に支給されていますが(新宿区の場合は議員一人あたり年間180万円。渡辺やすしはこれを受け取らないことを公約にしたので、全額返金しています)、会費などの飲食代金には使用することは認められていないので、これらの会費は全額自腹で、議員報酬や副業収入の中から支払うことになります。

 会場も各種業界団体のえらいさん方が参加するので、学生コンパで使用するような居酒屋というわけにもいかず、飲食店を貸切ったり、ホテルを借りたりということになるので、会費も1万円が相場になります。ちなみに、これらの会費ですが、地方議員のほうが他の参加者よりも高いということが多くあります。例えば町内会の場合、町内会会員はすでに町会費を払っているので、その分会費が安くなりますが、地方議員は町会費を払っていないので、平等性の観点から他の町会員より割高な会費を支払うことになります。

 一件あたり1万円だとしても、30件訪れると30万円、70件訪れると70万円を支払うことになります。忘年会も新年会と同じだけありますから、年末年始でお誘いいただいた会合にすべて出席すると、60万~140万くらいのお金が消えることになります。新宿区議会議員の年収は1069万円ですから、決して少額とは言えません。

 また、個人的には金額だけではなく、かかる時間のほうが「費用」として重く感じます。

 区議会議員が参加する新年会は、サラリーマンの新年会同様、酒類のほか、食事も提供されるので、当然、平日や休日の夕食帯に行われることが多いです。と、いうことは20件の新年会に参加すると、1か月のうち20回は家族と夕食を取らないことになります。私は1歳半の子どもを育てる「子育て世代の当事者」として議員活動をしているので、ここまで子どもといる時間が少ないと政治活動にも支障をきたしますし、何より、私自身のワークライフバランスも大変歪なものになります。

 つぎに、「効果」を見ていきましょう。当然ですが、各種団体の新年会には国政政党の地方議員のほとんどが参加しています。つまり、先ほどのような「費用」を負担したとしても、「効果」のほうが上回っているため参加しているわけです。政治的にどのような「効果」を期待して、国政政党所属議員はこれらの新年会に参加しているのでしょうか。

 そのためには、まず、国政政党の所属の地方議員が、大選挙区制(一つの選挙区から大量に立候補者がいて、大量に当選者がいる選挙制度。新宿区では38人が定員です)のもと、どのように、当選しているのか、という構造を理解する必要があります。

 完全無所属で活動する渡辺やすしは、新宿区中が活動範囲なので、新宿区全域で活動しています。新宿区全体で、26万人有権者がいますから約1%の2600人から支持をいただければ当選することはできます。2023年の新宿区議会議員選挙では、渡辺やすしは1%にあたる2633票を頂き当選しましたし、当選に必要な票数は1569票でした。

 一方で国政政党所属議員は、一人だけ当選すればいいというわけにはいきません。新宿区議会では自民党8人(加えて、3人が落選)、公明党が7人、共産党が7人(加えて、1人が落選)の議員がいます。一つしかない選挙区で最大11人が当選するためには、新宿区を議員ごとに細かな担当地域ごとに分けて、そこから票をとらなくてはいけません。必然的にリーチできる有権者数は減るため、小さな自分の担当地区から過半数の支持を集めることになります。

 そのため、限られた地域から大量の票を生み出すため、後援会を組織して、票を入れてくれと頼めば30人くらいを動員できる「地域のドン」を次々と抑えていくという選挙戦術を(特に自民党などの)伝統的な国政政党は取ってきました。(こちらの自民党地方議員の伝統的な選挙戦術と、岐路にさしかかっていることについては、自民党の新宿区議会議員である渡辺みちたかさんがブログで明かしています。https://watanabemichitaka.hatenablog.com/entry/2024/12/31/173056

 商店街や町内会などは地域のドンの影響力が強いですから、新年会などにしっかりと顔をだして、「顔をつなぎ」要望を聞くことは、次の選挙での票にもつながりますし、「新宿区の中の小さな自分の担当地域の代表」として政治活動を行う上でも大きなプラスになると考えられます。

 一方、渡辺やすしは国政政党に所属せず、新宿区全域を活動し、1%の「マイナーな声」を集めて当選しました。新年会などにはそれこそ、何年も各種団体の幹部と関係を切り結んできた国政政党の地方議員も勢ぞろいする中で、渡辺やすしを新たに支援しようという人が現れるとは思えません。

 選挙のことを横において、「地方議員しか聞けない住民の声を聞く」という本来的な活動に焦点をあてたとしても、自分より長年親しく付き合っている国政政党の議員がいる中、渡辺やすしだけに悩み相談されることは考えられません。

 上述のように、多額の「費用」が発生しているわけですから、新年会出席分の時間とお金をかけて、駅前でビラ配っるほうがよほど、住民との接触の質量とも多く、得票効果も期待できますし、自分しか聞けない住民の声を聞くことができると、渡辺やすしは考えます。

 以上の理由より、渡辺やすしは新年会をはじめ、各種団体からお誘いをいただく、懇親会には出席しません。例外的に、自分が町会費を払って町会活動をしている西富久町内会と、自分が住んで理事をしているマンション管理組合の会合だけは積極的に出席しますが、これは他議員も来ず、自分しか聞けない地域の声があるからです。

 「世代間格差を是正して、限りある税金の使い道を現役世代に」という新宿区民の1%の民意に応えるべく、2025年も渡辺やすしはメリハリのある活動し、持ちうる時間と能力を効率的に投下し、学校給食費無償化、敬老祝い金一部廃止など、選挙公報に掲げた公約が続々と実現した2024年に続き、しっかりと成果をあげていきます。ぜひ、応援をお願いします!

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