議会活動

新宿区議の給料3.8%アップはどう決まった?元区議2人が審議委員、「第三者機関」のあり方を決算特別委員会で問う!

こんにちは。新宿区議会議員の渡辺やすしです。

先日開幕した決算特別委員会。連日、ガチンコ質疑が続きます。

明日、9月28日の決算特別委員会「総務費」に関する質疑では、「新宿区特別職報酬等審議会」について質疑します!

聞き慣れない名前だと思いますが、実はこの審議会、区長や副区長、そして私たち区議会議員などの報酬を審議する、かなり重要な機関です。

令和7年度の決算額はわずか9万円。

金額だけ見れば非常に小さな事業です。

しかし、この9万円で運営される審議会の答申によって、区長や区議会議員などの報酬額が変わります。

だからこそ私は、「9万円しか使っていないから問題ない」ではなく、この審議会が本当に第三者機関として十分な機能を果たしているのかという「最小経費で最大効果」の観点から検証しました。

なぜ区議の報酬を「3.8%」上げるのか?

令和7年度の特別職報酬等審議会は、区長、副区長、教育長、常勤監査委員、区議会議員などの報酬について、現行額から3.80%相当引き上げ、期末手当も0.05月引き上げることが妥当だと答申しました。

私は、この**「3.80%」という数字の根拠**に以前から疑問を持っています。

ちなみに、審議会の会長を務める稲継裕昭先生は、私が早稲田大学大学院に在籍していたときの修士論文の指導教官です。

私自身、稲継先生から学んだことの一つが、

「政策を印象ではなく、データと客観的な根拠に基づいて分析する」

という姿勢です。

だからこそ今回も、「誰が答申したのか」ではなく、3.80%という数字にどのような客観的な根拠があるのかを議会で確認しました。

この3.80%という数字の基になっているのが、特別区人事委員会勧告です。

ただし、ここで重要なのは、3.80%は「全職員の給料を一律3.80%上げる」という数字ではないことです。

民間給与との較差を解消するために算出された一般職全体の公民較差であり、実際の給料表では若年層を重点的に引き上げています。

令和7年の勧告を新宿区職員に当てはめて級別の平均改定率を見ると、

1級(係員・役職なし)は 4.83%。

一方、

5級(課長級)は 3.34%、
6級(部長級)は 3.44%。

つまり、職員全員が3.80%上がっているわけではありません。

それなのに、なぜ区長や区議などの特別職については、一般職全体の数字である3.80%をそのまま当てはめるのでしょうか。

例えば、職責という点から比較的近い管理職層の改定率を参考にするという考え方だってあります。

私は「絶対に3.44%にすべきだ」と言っているわけではありません。

問題なのは、

「なぜ3.80%なのか?」

ということです。

特別職の職責や現在の報酬水準、一般職の級別改定率などを踏まえ、特別職独自の適正な改定率を検討する。その結果として3.80%になるのであれば、その根拠を説明すべきです。

前年度はもっと大きな差がありました

実は、この問題は令和7年度だけではありません。

令和6年度の特別職報酬等審議会では、2.89%相当の引き上げが答申されました。

ところが、このときも一般職の改定率は一律ではありません。

1級(係員・役職なし)が6.84%だったのに対し、6級(部長級)は0.92%。

若手職員を重点的に引き上げる給与改定だったわけです。

それにもかかわらず、一般職全体の数字である2.89%を特別職にも当てはめました。

しかも、私が調査した限りでは、同様に2.89%をそのまま特別職に当てはめた特別区はほとんどありませんでした。

だからこそ、今回の決算特別委員会では、

「特別職の報酬を3.80%引き上げる合理的な根拠は何なのか」

と改めて区に説明を求めました。

これらの問題意識は、令和6年度7年度に区議の給与UPが提示されたときから、抱いていて、渡辺やすしは本会議で、区議の給料UPに反対する討論を行っています。

「3.8%」を事務局が最初から提示

もう一つ気になったのが、審議会の議論の進め方です。

令和7年度の議事録を見ると、事務局から、

「議員報酬3.80%相当引上げ」
「期末手当0.05月引上げ」

という具体的な案が提示され、それを基に審議しています。

もちろん、私は事務局が「たたき台」を提示すること自体がおかしいと言っているわけではありません。

問題は、第三者機関としてどこまで独立して検討しているのかです。

ゼロベースで「今年の区議の報酬はいくらが適正なのか」と検討した結果、3.80%にたどり着いたのか。

それとも、最初に事務局から3.80%という数字が示され、その数字が妥当かどうかを確認することが議論の中心になっているのか。

この二つでは意味が違います。

3.80%ではなく3%という結論もある。

据え置きという結論もある。

逆に、客観的な根拠があれば3.80%を超えるという結論だって理屈上はあり得ます。

第三者機関というのであれば、事務局が提示した数字に縛られず、こうした選択肢を実質的に検討できる仕組みになっている必要があると考えます。

現職区議の報酬を審議する委員に「元区議」が2人

そして、もう一つ問題提起したのが委員構成です。

現在の委員9名のうち、桑原公平委員、鈴木ゆきえ委員のお二人は、元新宿区議会議員です。

ここは誤解のないように書いておきます。

私は、

「元区議だから委員にしてはいけない」

と言っているわけではありません。

実際に議員として活動した経験があるからこそ、議会活動の実態や議員という仕事の特殊性について理解しているというメリットがあります。

一方で、この審議会が決めるのは、まさに現職区議会議員の報酬や期末手当です。

かつて自らも新宿区議として議員報酬を受け取っていた方が複数委員に入り、現在の議員報酬を審議する。

制度上問題があるかどうかという話だけではなく、

「区民から見て、本当に第三者性があるように見えるのか?」

という視点も必要だと思います。

そこで私は、元区議を複数選任することについて、第三者性、公正性、そして区民から見た納得感という観点から、区がどのような検討をしているのかを質問しました。

「元議員を外せ」ではなく、もっと多様な専門家を

では、どうすればいいのか。

私は、元区議を当然に排除するべきだとは考えていません。

むしろ問題は、適正な報酬を判断するために必要な視点が十分そろっているのかです。

現在は、行政学の研究者、地域団体関係者、商店会関係者、元区議、公募委員などで構成されています。

ここに例えば、

民間企業の人事・報酬制度に詳しい人、労働経済の専門家、賃金統計を分析できる研究者などが加わってもいいのではないでしょうか。

議員活動を知る人。

税金を負担する納税者の視点を持つ人。

民間の給与水準を分析できる人。

そして行政・地方自治を研究する専門家。

こうした異なる立場の人が議論することで、初めて、

「なぜ、この報酬額なのか」

を区民に説得力をもって説明できるのではないでしょうか。

議員自身の給料だからこそ、客観的な仕組みを

議員報酬の議論は難しいテーマです。

「議員は給料を下げれば下げるほどいい」という単純な話ではありません。

議員という仕事に必要な人材を確保するためには、一定の報酬が必要だという考え方も当然あります。

一方で、私たち議員の報酬の原資は、区民の皆さんが納めた税金です。

しかも、最終的に議員報酬を定める条例を議決するのは議会です。

だからこそ、報酬を引き上げるのであれば、

「人事委員会勧告が3.8%だから、議員も3.8%」

だけではなく、

「なぜその数字なのか」
「他の数字ではなぜ駄目なのか」
「誰が、どのような立場から検証したのか」

を区民に説明できる仕組みが必要です。

私は、特別職報酬等審議会そのものを否定しているのではありません。

むしろ、議員や区長が自分たちだけで自分たちの報酬を決めているように見えないためにも、第三者機関の存在は重要です。

だからこそ、その第三者機関には、本当の意味での第三者性と、数字を検証できる専門性が必要です。

今後の委員改選では、議会経験者、納税者、民間の人事・報酬制度や労働経済の専門家など、より多様な視点を取り入れること。

そして、「3.80%ありき」ではなく、客観的なデータを基に適正な報酬水準を検討できる審議会へ改革すること。

自分たち議員の給料に関わる話だからこそ、曖昧にせず、これからも数字と根拠に基づいてチェックしていきます。

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