議会活動

新宿区議会議員を4人を友好のためドイツに派遣する費用対効果に疑問あり!令和6年度予算案に約700万円が計上!

こんにちは。新宿区議会議員の渡辺やすしです。

 新宿区の来年度予算の審議を前に、渡辺やすしの政策や問題意識と令和6年度新宿区予算が、どの程度合致し、また、合致していないのかを次々と明らかにするこのシリーズ。本日は第4弾「新宿区議4人をドイツに派遣に700万円!?」をお送りします。第1弾から第3弾については、記事の最後にリンクを貼っておきましたので、あわせてご覧ください。

 

 令和6年度新宿区予算では「議会費 その他活動費」に、2047万4千円が計上されていて、そのうち、約700万円が区議会議員をドイツ・ミッテ区に派遣される費用に使われます。

 新宿区はドイツ・ミッテ区が友好協定を締結していて、毎年交互に、互いの都市の青少年を派遣し交流するという事業を行っていて、今年で30年の節目にあたります。青少年交流事業では渡航経費は参加者負担ですが、現地滞在費等は、新宿区など受け入れ自治体が負担しています。

 今回の700万の予算は、ミッテ区友好協定&青少年交流事業30周年を記念して、ミッテ区長を表敬訪問に加え、ミッテ区議会との交流を図り、また青少年交流の現地視察を行うことを目的に計上されてきました。区議会議員4名に加え、議会事務局から1名が4泊する想定。航空券や宿泊費および日当は「新宿区議会議員の報酬及び費用弁償等に関する条例」に基づいて、航空券でビジネスクラスで往復で一人当たり1,225,500円、宿泊費用は24,200円、そのほか議員4人の日当が230,500円、記念品・手土産代等が100,000円、保険代が80,000となります。

 新宿区議会ではかつて海外視察がありました。しかし平成9年に、バブル崩壊の余波で新宿区の財政が大幅に悪化したことなどを受け、中止しています。

 コロナ禍を経て、都道府県議会や基礎自治体の議会でも海外視察が復活しています。ですが、高額のコストに見合う成果が上がっているのかなどについては、住民や識者から厳しい目線が向けられているという現実があります。

https://www.yomiuri.co.jp/politics/20230811-OYT1T50115/

 今回のミッテ区訪問は、海外視察ではなく、ミッテ区・新宿区の友好を目的とした今年限りのものです。ですが、その「都市外交」という目的に対して、区議会議員4人を約700万かけて派遣するという手段が本当に適切かどうかを、立ち止まって判断しなくてはいけません。

 新宿区のHPでは、ミッテ区(旧ティアガルテン区)と新宿区の交流の歴史が明かされています。

 https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000318420.pdf

 ミッテ区と友好都市になった平成2年にはミッテ区長が新宿区を訪問、その後平成3年と平成4年には1複数名の新宿区議会議員がミッテ区を訪問しています。しかし、平成9年に新宿区議会としての海外視察が中止になって以降は新宿区からの議員の派遣はなく、ミッテ区からは平成17年に区長一行4名、平成30年には区長代理一行3名が新宿区を訪問しています。

 新宿区の友好都市は海外ではミッテ区の他に、ギリシャ・レフカダ市、中国・北京市東城区があります。こちらもHPに交流の歴史が明かされています。

https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000276160.pdf

https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000276168.pdf

 レフカダ市については令和4年に区長・議長が訪問し、北京市東城区については平成7年に区議会議員11人が訪問して以降は、平成16年と平成23年に区長が訪問しているだけです。

 つまり、平成9年に海外視察が中止になってからは、複数名の区議会議員が、友好や交流のため、海外に公費で訪れたという例はありません。今回、4人の区議会議員が海外に派遣されるのは平成9年以降初めてとなります。確かに、新宿区の財政は平成9年に比較すると大きく好転していますが、議員の海外視察が優先順位が低いと判断し、視察を自粛してきた伝統は尊重されるべきです。

 渡辺やすしは今回のドイツ・ミッテ区への議員派遣が新宿区議会を代表しての表敬訪問であれば、令和4年のレフカタ市への訪問同様、議長一人の訪問に留めるべきだと考えます。レフカダ市や北京市東城区の節目での交流でも4名の区議会議員が派遣された例はありません。議長一人に留めた場合、約500万円の税金が節約できます。

 また、ミッテ区と新宿区の青少年交流事業が30周年というのであれば、派遣する議員を4人から1人に減らして浮いた500万円で、現在は自費負担となっている新宿区の青少年がミッテ区に渡航する費用を無償化し、経済力がなくミッテ区への渡航を断念していた青少年をサポートすることのほうが、「ミッテ区・新宿区の友好」という目的に資するのではないでしょうか。

 以上の理由から、渡辺やすしは令和6年度予算案の議会費として計上されている、区議4人をドイツ・ミッテ区に派遣する費用については反対いたします。

【新宿区令和6年度予算案解説 過去の記事はこちら】

新宿区ベビーシッター助成の利用者が想定の倍!令和6年度は今年の約3倍の予算が計上!!前のページ

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