議会活動

40億円取り崩すはずが、基金31億円増!? 給付金23億円に事務費3億円超!令和7年度新宿区のお金の使い道を、決算特別委員会で区長に問います!

こんにちは。新宿区議会議員の渡辺やすしです。

新宿区議会では、令和7年度に皆さんからお預かりした税金がどのように使われたのかをチェックする「決算特別委員会」が9月18日から開かれています。10月5日まで、連日午前10時から午後5時まで、時間無制限&事前通告なしのガチンコ質疑で新宿区の税金の使い道をチェックします。

そして9月24日からは、渡辺やすしにとって、決算審議の最初の審議となる、「総括質疑」が始まります。

今回、私が取り上げたいテーマは、一言で言えば、

「税金の使い道、本当に一番効果の高い方法を選んでいますか?」

という問題です。

予算では「40億円取り崩す」と言っていた財政調整基金が、決算してみたら取り崩しゼロ。それどころか31億円増えていました。

一方で、物価高対策として行われた約23億円の給付金事業では、3億円を超える事務費がかかっています。

給付金、商品券、減税――。

同じ「物価高で苦しむ区民の負担を軽くする」という目的なら、それぞれの行政コストと政策効果を比較した上で、一番効果的な方法を選ぶべきではないでしょうか。

今回の総括質疑では、この問題を区長に直接聞きます。

■予算では「40億円取り崩し」→決算では「31億円増」

まず、令和7年度予算を振り返ります。

私は結成以来、効果の低い支出を見直し、現役世代の負担を軽減するとともに、将来世代に持続可能な財政を引き継ぐことを訴えてきました。

令和7年度予算でも、一般会計には賛成しましたが、特別会計3会計については修正案を提出した上で反対しました。

理由の一つが、財政調整基金です。

当初予算では48億円もの財源不足が発生し、その穴を埋めるため、財政調整基金を40億円取り崩す予算になっていました。

私は当時の予算特別委員会で、

「この規模の財源不足が出る予算を未来永劫組み続けることは、数学的に可能なんですか?」

と質問。

当時の財政課長からも、

「毎年40億円の財源不足額というのはなかなか難しい」

との答弁がありました。

ところが――。

1年間が終わり、令和7年度決算を開けてみると、全く違う結果になりました。

実質単年度収支は32億8,823万円の黒字

40億円取り崩す予定だった財政調整基金は、取り崩しゼロ

それどころか、財政調整基金は約271億円から約302億円へ、約31億円増えました。

もちろん、基金が増え、将来の財政危機への対応力が高まったこと自体を問題視しているわけではありません。

問題は、

「なぜ予算の見込みと決算が、これほど違ったのか?」

ということです。

予算審議をずっと見ていた区民の方からすれば、

「聞いていた話と全然違うじゃないか」

と思うのではないでしょうか。

■なぜ40億円不足するはずが、不足しなかったのか?

区側から事前に聞いている説明を簡単にまとめると、理由は歳入と歳出の両方にあります。

歳入では、特別区交付金が予算より約12億円増、株式等譲渡所得割交付金が約5億円増、地方消費税交付金が約4.5億円増えるなど、一般財源が予算より約24億円多くなりました。

一方、歳出では、一般財源ベースで約68億円の不用額が発生しました。

予算を100%使い切ることは現実的ではありませんし、令和7年度の予算執行率自体は95.4%と前年度より改善しています。

つまり単純に「予算を使わなかったから黒字になった」という話でもありません。

そこで総括質疑では、まず財政課長に、

「財政用語を使わず、区民にも分かる言葉で、なぜ予算と決算がこれほど違ったのか説明してください」

と聞きます。

その上で、もう一歩踏み込みます。

予算は、単なる数字の予想ではありません。

その数字を前提として、議会が「この事業にいくら使うのか」を議論します。

だからこそ、歳入を可能な限り適切に見積もることは、議会による予算審議の前提です。

もちろん、私は結果を見た後から「予算を過少に見積もったじゃないか」と批判したいわけではありません。

予算編成時には予測できなかった経済状況の変化も当然あります。

だから聞きたいのです。

「どの歳入が、なぜ予想より増えたのか。そして令和7年度に生じた予算と決算の乖離を、令和9年度以降の歳入見積りにどう反映するのか?」

決算審議は過去の答え合わせだけではありません。

次の予算を、より正確なものにするための審議でもあるはずです。

■「税収が増えた」=「区民が豊かになった」ではない

もう一つ重要な論点があります。

新宿区に入ってくる税収等が増えることと、区民一人ひとりの暮らしが豊かになることは、同じではありません。

物価も賃金も上がる局面では、名目上の税収が増える一方、物価上昇によって家計の実質的な余裕が増えないこともあります。

区民は行政サービスを受ける「受益者」であると同時に、税金を負担する「納税者」でもあります。

そこで、

「税収が増えている一方、物価高が続く中で、区民の実質的な負担感を新宿区はどう把握しているのか?」

についても財政課長に聞きます。

■23億円の給付金、事務費だけで3億円超

そして、ここからが今回の総括質疑の大きなテーマです。

新宿区自身も物価高を大きな課題と認識し、令和7年度には様々な物価高対策を実施しました。

例えば、

物価高騰対策臨時給付金事業は約23億円。

ハッピー商品券事業は約3億8,000万円。

生活に困っている方を支援すること自体は重要です。

しかし、決算審議でチェックすべきなのは、

「お金を配ったかどうか」ではなく、「その方法が最も効率的だったのか」

です。

令和7年度の物価高騰対策臨時給付金事業を見ると、支出済額は約23億6,490万円。

そのうち事務費は、なんと約3億1,332万円

支出済額に占める事務費の割合は、13.2%です。

一方、同じく給付を行う令和7年度の「物価高対応子育て応援手当」では、支出済額に占める事務費の割合は約1.35%です。

もちろん、対象者の把握方法や制度設計が違うため、単純比較はできません。

それでも、これほど大きな差が生じるのであれば、

「なぜ13.2%もの事務費が必要だったのか?」

「この行政コストを新宿区は効率的だったと評価しているのか?」

は検証する必要があります。

■そもそも「23億円配った効果」を測ったのか?

そして、私がもっと重要だと思っているのはこちらです。

仮に事務費がゼロだったとしても、

「給付金を配ることが、本当に物価高対策として効果的だったのか?」

という問題は残ります。

行政の事業評価でありがちなのが、

「○万人に給付しました」

「予算の○%を執行しました」

という評価です。

でも、それは「何をやったか」というアウトプットにすぎません。

本当に知りたいのは、

「その結果、区民の生活がどれだけ改善したのか」

というアウトカムです。

今回の総括質疑では、

「物価高による生活負担をどれだけ軽減したのか、測定しましたか?」

と聞きます。

令和7年度の給付金は国の財源が中心です。

しかし、新宿区は令和5年度には20億円を超える区独自財源を使って、同様の給付事業を実施しています。

国からお金が来たかどうかと、その政策手段に効果があったかどうかは別問題です。

効果を測定していないのであれば、次に同じような物価高対策を行う際、

何を根拠に「また給付金をやろう」と判断するのでしょうか?

ここを担当副参事に聞きます。

■給付金、商品券、減税――同じ土俵で比べてみませんか?

そして最後は、区長に質問します。

私は、物価高対策の一つとして「特別区民税の均等割減税」を提案してきました。

これに対し区長は、税収が増えても直ちに財政的余裕が生まれるわけではなく、今後も行政需要が増えることから、

「減税を議論できる状況にはない」

との考えを示しています。

私は今回、

「財政に余裕ができたから、余ったお金を減税で返してください」

と言いたいわけではありません。

減税も給付金も商品券も、政策目的を達成するための「手段」です。

目的が、

「物価高で苦しむ区民の負担を軽くする」

なのであれば、

給付金、商品券、減税など複数の手段について、

「いくら行政コストがかかるのか」

「誰に届くのか」

「どれだけ生活負担を軽減できるのか」

を同じ土俵で比較して、一番効果の高い方法を選ぶべきではないでしょうか。

■「減税が常に正解」と言っているわけではありません

ここは誤解してほしくないところです。

私は、

「減税なら何でも正解」

と言っているわけではありません。

例えば名古屋市は、市民税5%減税について本格的な政策検証を行っています。

平成29年度の検証報告書では、減税相当額を何に使ったかというアンケートで、回答者549人のうち301人、**54.8%が「日常の生活費」**と回答しました。

一方で、マクロ経済への効果を分析すると、「減税あり」が必ずしも「減税なし」を上回らないという結果も出ています。

つまり、減税にもメリットとデメリットがある。

だからこそ、検証すればいいのです。

給付金の方が効果的だと分かれば、給付金を選べばいい。

商品券の方が効果的なら、商品券を選べばいい。

逆に、減税の方が行政コストを抑えられ、区民生活への効果も大きいのであれば、減税を選択肢から最初から排除する合理的な理由はありません。

給付か減税か。

この議論には様々な考え方があります。

だから私は、最初から答えを決めるのではなく、新宿区の実際の決算データを使って比較しようと提案します。

■約6.2億円あれば、均等割3,000円をゼロにできた

具体的な数字でも比較します。

令和6年度ベースでは、約6億2,000万円の財源があれば、特別区民税の均等割をゼロにし、均等割を負担する納税義務者1人当たり年間3,000円の負担を軽減することが可能でした。

もちろん、減税すればその分だけ区の歳入は減ります。

一方、給付金なら給付額だけでなく事務費もかかります。

そして、対象者を絞った給付と広く負担を軽減する減税では、政策効果も異なります。

だからこそ、

給付金には給付金のメリット・デメリットを。

商品券には商品券のメリット・デメリットを。

減税には減税のメリット・デメリットを。

同じ物差しで比較すべきだと考えています。

■9月24日から、区長に直接聞きます!

決算審議は、単に、

「予算どおり使いました」

「執行率は○%でした」

を確認する場ではありません。

税金を使った結果、

「区民の暮らしはどう変わったのか?」

「もっと少ない税金で同じ効果を出せなかったのか?」

「別の方法なら、もっと大きな効果を出せなかったのか?」

まで検証するのが決算審議だと私は考えています。

区長は今回の決算特別委員会の冒頭で、

「従来の枠組みにとらわれない柔軟な発想で、区政の将来像を見据えつつ事業の検証を行う」

という趣旨の発言をされています。

私も、この考えには深く共感します。

であれば、その「事業の検証」を物価高対策にも当てはめてほしい。

減税には厳しく財源や効果を問う。

それならば、給付金についても同じように効果を検証する。

「給付だから検討する」「減税だから排除する」ではなく、同じ政策目的を達成する複数の手段として比較する。

9月24日から始まる決算特別委員会の総括質疑では、この点を区長、財政課長、給付金担当副参事に直接質問します。

決算書というと、「数字ばかりで難しそう」と感じる方も多いかもしれません。

でも、その数字の一つ一つは、皆さんからお預かりした税金です。

だからこそ私は、インターネット中継を見ている方にも、

「なるほど、こうやって税金の使い道をチェックしているのか」

「議会って意外と面白いな」

と思ってもらえるような議論にしたいと思っています。

予算では40億円取り崩すはずだった基金が、なぜ31億円増えたのか。

23億円の給付金に3億円以上の事務費をかけることは効率的だったのか。

その給付によって区民の生活がどれだけ改善したのか。

そして、

給付金、商品券、減税――本当に一番効果が高い物価高対策は何なのか。

9月24日からの総括質疑で、しっかり議論してきます。

ぜひ、インターネット中継でもご注目ください

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