こんにちは。新宿区議会議員の渡辺やすしです。
先日、閉会した新宿区議会予算特別委員会における約20分野の渡辺やすしの質疑とその成果を、順次ご報告します。

今回は、梅毒患者数の急増を受けた、新宿区の無料性病検査の拡充についてです。
こちらの5分30秒からが私の質疑となります。
新宿区では、HIV・性感染症検査を無料匿名で行っています。これは、新宿区に住民票がなかったり、日本国籍を有していなくても、誰でも、HIV、梅毒、クラミジア、B型肝炎の性病検査を無料匿名で受けることができます。これは新宿区の税金で使われていますが、新宿という街全体の公衆衛生を守る観点から、あえて、対象を区民に限定していません。これは平成11年から出され、平成30年に改定した厚生労働省の性感染症に関する特定感染症予防指針に基づくもので、新宿区だけでなく、全国のさまざまな自治体で、性病検査が無料で受けることができます。
ですが、全国的な傾向として、令和6年は梅毒患者報告数が東京都で3760件と調査開始以来過去最高を記録し、HIV陽性者も7年ぶりに増加するなど、HIV・梅毒は広がりを見せています。さらに、新宿区は、セックスワーカーや不特定多数と性交渉を行う人々など「性感染症のハイリスク者」が地域特性上多いため、公衆衛生を守る観点から、定期的な性病検査の必要性を広く新宿区に集う人々に、周知していく必要性があります。
以上のような課題意識を受けて、新宿区では令和6年度より、HIV・性感染症無料検査の枠を、従来の年間1200人から1500人に拡大するほか、アウトリーチ事業として、歌舞伎町などに集う若者に対し、性感染症の現状や予防策などをわかりやすくイラストで解説し、無料匿名の性病検査を案内するとともに、性感染症を防ぐために有効であるコンドームも同封したチラシを歌舞伎町に集うか若者に配布するようになりました。しかし、令和6年度は1500人の枠に対し、実際に無料検査に来たのは833人と約7割にとどまり、新宿区に集う人々に対して、さらなる啓蒙活動が必要です。
私は予算特別委員会では、まず新宿区HPにおいて「HIV・性感染症相談」というタイトルで性病検査の案内が掲載されているため、最近特に急増している梅毒検査が受けれるとすぐにわからないという問題を訴えました。その結果、本年4月8日より「HIV・性感染症(梅毒・クラミジア・B型肝炎)検査及び相談について」とHPのタイトルが改善され、梅毒検査が無料で受けられることが一目でわかるようなりました。
まずは、小さな成果を得ましたが、キャパシティの約7割に留まる無料検査の受診率を拡大していくためには、さらなる対策が急務です。渡辺やすしは、性病検査を受けること自体を後ろめたいと思うような、非科学な偏見が、新宿区無料匿名検査の受診数低迷の背景にあると考え、自身が受けた性病検査結果を定期的にSNSで公開しています(こちらは新宿区の事業ではなく、自費で医療機関で受診したものです)。


現状の新宿区の検査では、医師より口頭で検査結果を伝えられるだけで、検査証明書のようなものがなく、検査を受けたことを第三者に向けて証明することができません。定期的性病検査を受診する人を増やすためには、民間の病院が発行しているような検査証明や検査履歴証明を、新宿区も発行することで、自身やパートナーや公衆衛生を守る性病検査を受けることが倫理的であるという風潮を作り出していくべきだと渡辺やすしは考えます。歓楽街を抱える新宿区の公衆衛生を守るため、渡辺やすしはこれからもHIV・梅毒対策に取り組んでいきます!