議会活動

【神制度】ベビーシッター代が年間最大50万円無料に!所得制限&使用理由なし!新宿区ベビーシッター利用支援事業を解説!

こんにちは。新宿区議会議員の渡辺やすしです。

 突然ですが、皆さんは、新宿区に住んでいたら、0歳から6歳児のベビーシッター代金が年間最大50万円無料になる制度が今年4月からスタートしたことを知っていますか?

 6月8日に私がこのツイートで初めて紹介したところ、Twitterで1000ファボ&関連ツイートあわせて100万表示と「バズ」を呼び、多くの反響を得ることができました。このつぶやきは、Yahoo!ニュースにも掲載され、さらに話題を呼びました。

 年36万円実質無料!子育て世帯なら知っておきたい「ベビーシッター助成制度」とは(税理士ドットコム) – Yahoo!ニュース

 新宿区ベビーシッター利用支援事業の特徴を解説!

 その制度は正式名称は「新宿区ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)」。0歳から6歳(満6歳に達する年度の末日まで利用可)の保護者が、24時間365日、どの時間でもベビーシッターを利用する制度を女性するという制度で、午前7時から午後10時までだと1時間2500円、午後10時から午前7時までだと1時間3500円が補助されます。児童一人当たり年間144時間まで利用可能で、児童が複数いる場合はその分、利用時間が増えます。例えば、0歳児と5歳児いる家庭ではそれぞれ144時間利用できるので、あわせて288時間利用できるわけです。(多胎児の場合は、一人当たり年間288時間も利用可能)

 令和5年度新宿区ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援):新宿区 (shinjuku.lg.jp)

 こちらの新宿区のホームページに詳しい申し込み方法と、提携しているベビーシッター会社が掲載されているので、それらの会社に制度を利用する旨を伝えたうえで申し込みをすれば利用します。支払方法はまず利用者が、ベビーシッター会社に利用料を支払い、その領収書などを新宿区に申請すれば、利用した時間に応じて一時間2500円または3500円分の助成金が、利用者の銀行口座に振り込まれるというシステムです。

 ベビーシッター会社の多くは、午前7時から午後10時までだと1時間2500円、午後10時から午前7時までだと1時間3500円の枠内でベビーシッターを利用できるようにしているので、年間144時間の枠内だったら、実質無料でベビーシッターが利用できます。もし、午後10時から午前7時までに最大144時間利用すると年間約50万円、午前7時から午後10時までに最大144時間利用すると年間約36万円のベビーシッター代金が実質タダになります。私のツイートでこの施策を知った方からは「知らなきゃ損の神制度だ」という声も寄せられました。

 さらに、この制度が「神制度」なのは、所得制限&利用理由を問わない&365日24時間利用可能ということです。

 「児童手当」を初めてとして、多くの子育て支援政策には「所得制限」があり、一定の収入を超える家庭では利用できないという問題が多数発生しています。ですが、この制度には所得制限がないので、児童手当支給対象外の家庭でも利用できます。また、保育園利用者も、365日24時間利用可能なので、夜間や土日など、保育園が開いていない時間に、子どもを預けることができます。さらに、自宅だけでなく、近所の公園や、実家など保護者が指定した好きな場所でシッターを利用することも可能です。

 新宿区の子育て支援政策には「ショートステイ」「トワイライトステイ」など、子どもを一時的に預かる別制度もありますが、これらは保護者が病気や仕事など、要件が必要になっています。それに比べて、この新宿区ベビーシッター利用支援事業は理由を問いません。仕事や病気や介護などはもちろん、ボランティアに参加したい、美容院に行きたい、子どもを預けて夫婦2人でディナーを楽しみたいなどの理由で利用可能です。保育園の一時預かりなどは夜帯は利用できないことも多く、365日24時間理由を問わないでベビーシッターに無料で子どもを預けられることで、リフレッシュできる子育て家庭は多いと考えます。新宿区が発行する「はっぴー子育てガイド」でも、この制度を紹介するにあたって、吉住健一区長は「子育てはパパ・ママが楽しんでこそ。趣味のお出かけのために利用しても助成の対象になります」と発信しています。

 このベビーシッター無料制度はどうやって始まったのか?

 そもそもこの制度は新宿区独自のものではなく、東京都が令和2年4月よりスタートさせたものです。実際に運営するのは、新宿区をはじめとする基礎自治体で、この制度にかかる助成金はまずは基礎自治体が利用者に支払い、その金額の総額を基礎自治体が東京都に補助金という形で申請することになります。現在は、この事業にかかる委託事業社に払うお金を除いた予算の100%が東京都の予算から出されています。

 これが現段階の参加している自治体は以下で、特別区では23区中15区にとどまっています。新宿区も制度開始当初から参加していなのではなく、今年令和5年の4月より新たに参加しました。

 新宿区独自財源を使わなくても済むのに、令和5年4月まで参加が遅れた理由としては、現在は100パーセント都が負担している助成金が、例えば50%に負担にとどまるように都の方針が変わってしまうと、新宿区の独自財源を使わなくてはならないことになるからです。区民からの多くの声により、今年から新宿区は参加を決めました。現段階では、都は方針の発表を変更していませんが、仮に一部を新宿区の財源で負担することになったとしても、①子育て世代を支援する効果的な政策であること、②他特別区のすべてが参加しない中で新宿区が参加することは、新宿区が子育てに力を入れている区であることのアピールに繋がり、他区からの移住やそれに伴う税収の増加につながることが期待できる、という理由から、このベビーシッター無料制度を継続するべきであると、渡辺やすしは考えます。

 予算規模や想定利用者数は?

 新宿区の令和5年度の予算ではこの事業に、3219万4千円の予算を確保しています。この制度を担当する新宿区子ども家庭支援課に取材したところ、新宿区の0歳から6歳児1万3千人のうち、2%が、約40時間利用することを想定した予算で、この想定人数はすでにこの制度を利用している他区での利用状況をもとに算出した数字ということです。(もちろん、この予算額をすべて使えばその段階で制度が打ち切りではなく、仮にすべての児童が最大時間利用しても助成金を支払うことは可能です。)

 また、書類の申請や問い合わせ対応などは、パソナライフケアに委託していますが、この事務手数料の400万円も予算の中に含まれています。仮に委託しなかった場合は新宿区の職員が対応することになるのですが、その際に必要とされる人件費は400万円をゆうに超えるので、この委託については問題がないと考えます。

ベビーシッター無料制度の課題は?

 この制度を紹介してから、多くの好意的な反響も多かったですが、利用者やさまざまな理由で利用を控えた方など、約50人の新宿区民に定性的なインタビュー調査を行ったところ、さまざまな課題が明らかになりました。9月の新宿区議会の一般質問では、区長にこの制度の問題点と改善案を問います。以下、具体的な課題を列挙します。

 ①広報不足で、知られていない

 最も多かった課題がこれです。私のTwitterでの発信で初めてこの制度を知ったという人も多いです。新宿区は対象児童の2パーセントの利用しか見込んでいませんが、これは先行して実施している自治体でも、同様の利用率だったから。この低い利用率の背景も、とにかくこの制度が知られていない、ということにつきます。

 

 現在、新宿区では母子手帳をもらいに来た区民に対して、このベビーシッター制度だけではなく、さまざまな子育て支援策について、まとめた紙を配布しています。現在、新宿区に母子手帳をもらいに来た人は、そのタイミングでこの制度を知ることができます。ですが、重要なのは、母子手帳をもらいに来たタイミングでの案内は、予算がついてこの制度が始まった今年の4月から始まったということです。例えば、今年4月に出産した保護者は、昨年の秋に母子手帳をもらっていますから、この制度を知ることができません。同様に制度の対象である1歳から6歳の保護者のほとんどが、HPを熟読したり、子ども園などに貼ってあるこの制度の案内ビラを見ない限り、この制度を知ることができません。

 また、なんとなく制度の存在は知っていても、他の子育て支援策に所得制限や、利用可能時間の制限、または預ける理由に制限などがあるため、このベビーシッター制度も同様の制限があると思い込み、「所得制限で利用ができない」「趣味の外出のためのなので利用できない」「保育園を利用しているので利用できない」といった誤解の結果、利用しようと制度を詳しく調べなかったという声も聞きました。

 渡辺やすしは、<A>対象の1万2千人の対象の児童に対し、個別にこの制度や現在の子育て制度をまとめた案内を新宿区から郵便で送ること、<B>3・4か月検診、6・7か月検診、1歳半検診、3歳検診などのときに、この制度を案内した紙を渡すこと、を改善案として議会で提案します。<A>につきましては、プレミアム商品券の案内のときに、全家庭に対して実施しました。今回は対象家庭数が少ないので、予算もほとんどかかりません。

②似たような子育て支援制度である、「産前産後支援事業」と申請方法が二度手間になる

 新宿区にはベビーシッター利用助成とは別に、産前産後支援事業があります。

 https://www.city.shinjuku.lg.jp/kodomo/file03_02_00001.html

 ヘルパーやドゥーラが自宅を訪れ、育児支援や家事支援を行うという制度ですが、きょうだいがいない場合は0歳時のみが年間最大40時間と利用時間が少なく、24時間ではなく午前9時から午後8時までと利用時間にも制限があります。また、完全に無料になるわけではなく、産後ドゥーラの場合は一時間1500円、ヘルパーの場合は1時間1000円を支払わなくてはいけません。

 とはいえ、こちらも所得制限がなく、べビーシッター利用助成とあわせて利用可能なので、両方とも利用する保護者も多いです。

 一見、ベビーシッター利用助成と似た制度ですが、申し込み手続きは大きく異なります。ベビーシッター利用助成はまず提携ベビーシッター会社に申し込んで、料金を全額自腹で支払ったうえで、のちほど申請して助成金をもらうシステムですが、こちらの産前産後支援事業はまず制度を利用する申請書を新宿区に対して提出し、その後提携事業者に申し込み、実際にヘルパーやドゥーラが自宅を訪れた際に割引になった利用料金を直接支払うというシステムです。2つのまったく異なるシステムをそれぞれ理解し、実行することは子育てに忙しい保護者にとって大きな負担となります。

 そこで、渡辺やすしは、ベビーシッター利用助成利用制限時間に、新宿区独自に産前産後支援事業で補助される40時間分をドゥーラ機能としてあわせて追加するなど、実体の制度が似ているベビーシッター利用助成と産前産後支援事業を一本化することで、保護者の申し込み&制度理解に関するコストを下げることを、改善案として議会で提案します。

③多子世帯の場合、子どもの数だけシッターを手配しなければいけないので、シッターが見つかりずらい

 この制度、0歳から6歳までの多子世帯であれば、144時間×人数分が利用できるのですが、ベビーシッター一人に対して見守りができる子どもが一人と決められているので、多子世帯の場合は人数分のベビーシッターを見つけなくてはいけません。(ですが共同保育は可能なので、0歳児と6歳児のきょうだいの場合、0歳児を1人のシッターが見て、保護者は6歳児のケアに専念する、といった使い方も可能です)そのため、同時刻に複数のシッターの手配はよほど前から予約しない限り難しいという問題があり、結局シッターを予約できないため、制度が利用できなかったという声を多数聞きました。

 提携ベビーシッター会社に、この制度を利用せず、自費で申し込んだ場合は、割増料金にはなりますが、一人のシッターが2人の子どもの見守りをすることは可能です。また国が行っている子育て支援策で、あらかじめ申請をした企業が従業員に配布する「こども家庭庁ベビーシッター券(旧内閣府ベビーシッター券)」制度では、一人のシッターが2人の子どもの見守りをするは可能となっています。

 多子世帯でも一人の子どもに対し、一人のシッターをつけなければいけないというのは、制度を作った東京都が定めたルールで、新宿区だけ変更することはできません。渡辺やすしは、より子育て支援が必要な多子世帯がこの制度を使いやすくするため、こども家庭庁ベビーシッター券同様に、一人のシッターが複数の児童の見守りができるように東京都に制度の改善を申し入れることを、議会で要求します。

④ベビーシッター制度の助成金には所得税がかかるという誤解

 かつて、べビーシッター利用料の助成金や、認可外保育園の利用料の関する助成金に対し、税金がかかっていた時代もありました。これが現在も続いていると誤解し、ベビーシッター助成金をもらっても結局は所得税などがかかるから、という理由で制度の利用を控えている声もききました。ですが、令和3年より、子育て支援の観点から、これらに対して、非課税の措置が講じられるようになりました。ですから、このベビーシッター利用助成に関しましても、税金はかかりません。

 渡辺やすしは議会において、区のHPや制度を案内するビラなどにおいてこの事実を周知徹底してしくよう求めます。

⑤ ベビーシッターを保護者の趣味などリフレッシュのために使うのは贅沢だという世間の雰囲気

 これは行政がどうこうできる問題ではありませんが、仕事や病気のためベビーシッターを利用するのはよくても、両親のリフレッシュのためにベビーシッターを使うのはなんとなく憚れるという声も聞きました。一部の保育園では一時預かりの要件を、仕事や病気や介護などにするなど、リフレッシュのための利用を事実上認めていないということもあり、なんとなく、リフレッシュのための使うことに罪悪感を抱く人もいるようです。

 ですが、渡辺やすしは、少子化対策としては、子育ての負担を両親だけが担うのではなく、社会全体で子どもを育てる意識を涵養することが必要だと考えます。そのためには、両親も自身の趣味やリフレッシュをしっかりと行っていくことが大事です。

私、自身も、約1万人のフォロワーがいるTwitterで、自身のリフレッシュのために制度を利用することをあえて発信すると同時に、議会においては、あらためて区長に「両親のリフレッシュのため子育て制度を利用することを推進する」という認識を、議事録に残る形で表明してもらえるように迫ります。

 

ベビーシッター制度に関するご意見をお聞かせください!

 今までの課題は、私が行ったインタビュー調査によって明らかにしたものです。ですが、まだまだ課題もたくさんあると感じています。この制度を利用して感じた問題点や、改善要求、反対にこの制度を利用しなかった理由、他の子育て支援策のほうが優れていると考える理由、などありましたら、ぜひ皆様の意見を聞かせてください。

 公式LINEでもTwitterのDMでも、電話番号(090-3141-3000)、メールアドレス(info@watanabe-yasushi.tokyo)でも、どれでも構いませんので、9月12日(火)中にお寄せいただけますと幸甚です。

 

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