議会活動

日本駆け込み寺不祥事を受けた補助金の透明化を区長に迫るも、衝撃のゼロ回答!悔しい代表質問を振り返ります!

こんにちは。新宿区議会議員の渡辺やすしです。

先日ご報告したとおり、令和7年第二回定例会で、会派として初の代表質問を行いました。新宿区から公金300万円が支出されていた公益社団法人「日本駆け込み寺」の元事務局長がコカイン所持で逮捕され、相談者にコカインを薦めていたという報道を受けて、再発防止のため、補助金の使途を透明化することを区長に求めました。

質問の詳細はこちらです。

しかしながら、区長の答弁は今までの私の質問で例がないほど、ゼロ回答で、区長と私の補助金公開に対する見解の相違が一層際立つ結果となりました。私の質問の抜粋と、区長答弁を紹介し、私の受け止めもあわせてご報告します。

渡辺やすし「区長は今回の日本駆け込み寺の不祥事について、どのようにとらえていらっしゃいますか?」

吉住健一区長「日本駆け込み寺の関係者が逮捕された報道を聞き、残念な事件が発生したと考えています。現在、警察が捜査していますが、支援者が支援を受ける者に対して犯罪に巻き込むことをしていたのであれば、重大な事態であると考えています。」

渡辺やすし「令和4年度から6年度における日本駆け込み寺への299万円の公金支出は適切だったと考えますか?」

区長「いずれの補助においても、提出された実績報告書や領収書等を確認したところ、要綱に基づいた使途で、適正に補助金が使用されていたことから、適切であったと考えています。」

渡辺やすし「日本駆け込み寺からは、令和7年度の子ども未来基金への補助金が申請されていましたが、その対応と理由をお聞かせください。」

区長「申請に対する対応としては、不交付といたしました。理由としては、子ども未来基金審査委員会の各委員から、「活動実施体制の確実性や団体等の信頼性」及び「危機管理」の項目に、低い評価がされたためです。」

渡辺やすし「今後、新宿区と、日本駆け込み寺および青母連との関係を見直すつもりはありますか?」

区長「区では、今回の事件の報道を受け、日本駆け込み寺及び青母連に対する支援、連携、その他各種関わりについて、当面の間、中止することにしました。」

渡辺やすし「補助金の詳細な支給実績を公開することは、区民の区政参加や適切な公金支出への監視につながる可能性があるとお考えですか?補助金支給団体名、補助金額や支給目的といった情報は、条例に基づく公開請求を待つことなく積極的に公表・提供すべきものだとお考えですか?区の職員が縦割りを超えて、補助金支出状況を横断的に把握するために、財務会計システムだけに頼る現在の運用には課題意識を抱かれていませんか?補助金の透明化および区職員の業務効率の改善のため、千代田区のような「団体別補助金支給実績一覧表」を作成し、決算時に広く区民に対し公開することはいかがでしょうか?」

区長「区では補助金等交付規則に基づき、補助金の申請の際には、事業の目的及び内容等が適正であるか審査した上で交付決定を行い、事業完了時には実績報告書の提出を求め、事業の成果や収支計算に係る審査を実施しています。

また、行政評価では、補助金について公共サービスのあり方の見直しや費用対効果などの検証を実施し、財政援助団体等監査では、補助金の交付団体と所管部局の双方が監査を受け、監査結果を全庁的に共有し、補助金の適正化を図っています。さらに、行政評価や監査の実施結果は、区ホームページに掲載し、透明性を高めることにより、区民の区政参加や公金支出の監視に寄与しているものと考えています。

また、こうした様々な実効性のある取組は、職員が区の補助金支給状況を横断的に把握することにも繋がっているため、新たに補助金支給団体名や支給目的を含めた詳細な一覧表を作成し、公開することは考えておりませんが、今後も補助金の適正化や透明性の確保に努めてまいります。

今回の事件は、個人の責任に帰するものなのか、組織に責任が帰するものなのか、警察の捜査の進捗を待っている段階ですが、全国的にも有名な団体の幹部級の職員が事件を起こしたということで、多くの方の関心を集めています。どのような団体であれ、区が交付した助成金の使途が適正に支出されているか確認することは当然のことだと考えています。

一方で、NPOや様々な活動団体は、それぞれに特色や得意分野をもって活動をしています。事業に詳しくない人が、一律に分類された使途の諸表を見て、適正か否かを判断することは難しいと思われます。価値観が多様化している中で、自分の好みに合わない活動をしている団体やミスを犯した団体や構成員に対し、攻撃的な言論を展開するケースも見られます。公開した資料が、そのような目的で使われることは、社会貢献活動を萎縮させるようなことにもつながりかねません。渡辺やすし議員におかれましては、その点にご留意いただけるよう、切に願うものであります。」

 今回の区長答弁は、公金を支給していた公益財団法人「日本駆け込み寺」において、「支援者が支援を受ける者に対して犯罪に巻き込」んだとされる報道を受け、遺憾なことであるという認識は示されました。しかし、再発防止策として、補助金の使途を公開することについては、完全なる平行線でした。

 区長の考えでは補助金を使途を公開しない理由としては3つです。(1)行政評価や監査の実施結果は、区ホームページに掲載し、透明性を高めることにより、区民の区政参加や公金支出の監視に寄与しているから、(2)事業に詳しくない人が、一律に分類された使途の諸表を見て、適正か否かを判断することは難しいから、(3)価値観が多様化している中で、自分の好みに合わない活動をしている団体やミスを犯した団体や構成員に対し、攻撃的な言論を展開するケースも見られ、公開した資料が、そのような目的で使われることは、社会貢献活動を萎縮させるようなことにもつながりかねないから、です。

 それぞれの理由に対する、私の反論を記載します。

(1)で区長が主張するように、補助金の使い道については、監査委員による、財政援助団体等監査や行政監査で監査され、その結果はHPで公開されています。ただ、200程度の財政援助団体についてはすべて補助金の目的と支出を監査れていますが、今回の日本駆け込み寺への補助金のように、団体に一括してお金を渡すのでなく、各事業ごとに補助金支給団体を公募し、その都度補助金を支給する「事業補助」は2000件以上に及ぶため、限られた監査委員の資源ではすべてを監視することは現状できていません。行政監査でテーマを決めて、そのテーマに該当する補助金を監査することは可能ですが、全体の一部です。なので、監査委員だけでなく、広く公開することで、区民みんなの力で監査を行うことが、開かれた民主主義のためには必要不可欠なのです。

 (2)(3)の、補助金の支給団体や目的を公開しても、事業に詳しくない人には適正化どうかを判断することは難しい、悪用する可能性がある、という区長の主張には、強烈な違和感を抱きます。区民が適切に情報を判断できないという前提に立つことは、情報公開や民主主義そのものへの否定です。多様な背景をもつ30万人の新宿区民には多くの知見がある人がいます。特定の補助金支給事業について、新宿区職員や議員や監査委員よりも知識を持つ人もいるでしょうし、財務のプロもいるでしょうし、特定の補助金支給団体の内部情報に詳しく補助金不正などの情報を掴んでいる人もいるでしょう。そういった知見を集合して、自分たちが払った税金がどのように使われているのか、を監視していくことが民主主義を機能させ、区政への参画意識を高めることに繋がる、という私の確信は全く揺るぎません。

また、千代田区や大阪市では、補助金の支給団体や目的を公開していますが、悪用されたという事例は、該当自治体の担当者に取材したところ、確認していないとのことです。そもそも、特定の補助金支給団体への補助金支給状況は、新宿区情報公開条例に基づき、公文書公開請求をすれば、現在でも誰でもわかります。公開された公文書は、請求者が、HPで公開するなど、第三者に開示することはもちろん可能です。公文書公開請求では、公共性のない個人情報などは黒塗りにして公開されてくるので、仮に補助金支給一覧を新宿区HPで公開することになったとしても、そのような対応をすれば、社会貢献団体が委縮することにはつながりません。

補助金の使途を公開せよ、という代表質問は、「ゼロ回答」に終わりました。しかし、二人会派「現役世代に優しい新宿・減税の会」として、補助金の透明化こそが区民益につながるという信念には全く揺らぎがなく、今後も世論を盛り上げ、補助金の使途公開を求めていきます。渡辺やすしの戦いは始まったばかりです!

新宿区議会議員・渡辺やすしは、6月22日投開票の都議会議員選挙(新宿選挙区)において、おくもとゆり候補(国民民主党)は落選すべきと考えます。前のページ

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