こんにちは。新宿区議会議員の渡辺やすしです。
2026年の新宿区議会決算特別委員会では、区の様々な事業について、税金が適切に使われているか、費用に見合う成果が出ているかを検証しました。
今回ご報告するのは、議会自身の税金の使い方についての質疑です。
新宿区議会のホープページで動画は1年間限定で公開されるので、ぜひ、ご覧ください。

取り上げたのは、①議会インターネット中継の費用対効果、②委員会資料のペーパーレス化の2点。
行政に無駄の削減を求めるのであれば、議員自身も、自分たちのために使われている税金や仕事の進め方を見直す必要があります。
① 議会中継に年間約380万円! 本当に区民に見られているのか?
新宿区議会では、本会議などの様子をインターネットで生中継し、録画も公開しています。
議会の議論を区民の皆様に知っていただくために重要な取組ですが、その運営経費は379万8,366円。
税金を使って配信する以上、どれだけ区民に見てもらえているのかを検証する必要があります。
そこで、議会中継のアクセス数を資料要求しました。

驚いたのは、生中継の年間総アクセス数です。
令和5年度、令和6年度は約1万7,000件で推移していたのに、令和7年度は突然、7万1,255件に急増していました。
一見すると、議会への関心が大幅に高まったように見えます。
しかし、議会事務局次長に理由を質問すると、意外な答弁がありました。
令和8年第1回定例会で、区のインターネット環境から中継を視聴する際、画面が何度も停止する不具合が発生。そのたびに更新ボタンを押したため、アクセス数が膨らんだ可能性があるというのです。
つまり、アクセス数が増えたからといって、実際の視聴者が増えたとは限らないということです。
さらに庁内アクセス数を確認すると、令和7年度の7万1,255件のうち、6万674件が庁内からのアクセスでした。
差し引き、庁外からのアクセスは年間1万581件です。
令和6年度の8,758件から増えている点は評価できます。しかし、これは議員1人ではなく、新宿区議会全体の年間アクセス数です。しかも、アクセス数は視聴者の実人数ではありません。
② 議員個人の動画は10万再生も。議会中継も届け方を変えるべき!
一方、議員個人が発信するショート動画の中には、1本で10万回、20万回と再生されるものもあります。
もちろん、短い編集動画と長時間の議会中継を単純比較することはできません。
それでも、議会の質疑や政策について知りたいという潜在的な需要はあるはずです。
私は議会事務局次長に、現在の議会中継のアクセス数について、少ないという課題意識はないのか質問しました。
次長からは、議会に関するアンケート調査で、情報発信の手段として「新宿区議会だより」を希望する割合が年々低下する一方、SNSやインターネット中継、録画中継を希望する割合は上昇しているとの答弁がありました。
そこで私が改めて提案したのが、YouTubeなど、より多くの人に届きやすい配信方法の検討です。
現在の新宿区議会中継は専用サイトで配信されていますが、小金井市などではYouTubeを活用しています。
YouTubeなら、関連動画や検索を通じて、普段は議会中継を見ない人にも届く可能性があります。
私は民間企業で雑誌編集や動画配信に携わってきました。約380万円を使うのであれば、配信して終わりではなく、どうすれば多くの人に見てもらえるかまで考えるべきです。
③ ペーパーレス化に年間約90万円。それなのに紙と電子の二重運用!
もう一つ取り上げたのが、議員が委員会資料などを電子的に閲覧する「SideBooks」というシステムです。
導入時の初期費用は約30万円。その後も年間約90万円の運営費がかかっています。
資料要求で確認したところ、紙資料の配布を受けないペーパーレス申請を行っている議員は、令和3年度の1人から、令和8年度には13人まで増加していました。


これは前向きな変化です。
しかし、新宿区議会には38人の議員がいます。多くの議員には、引き続き紙の資料も配布されています。
つまり、議会事務局は、SideBooksへの資料掲載と紙資料の準備・配布を並行して行っているのです。
私は、導入から5年が経過していることを踏まえ、2つの質問をしました。
「導入当初、いつまでに完全ペーパーレス化するという目標はあったのか」
「紙と電子の二重運用で、事務局の負担は導入前より増えているのではないか」
これに対する議会事務局次長の答弁は、驚くべきものでした。
完全ペーパーレス化の期限について、議会内での申し合わせはなかった。そして、SideBooks導入前と比較して、事務局の業務負担は増えているというのです。
デジタル化のために税金を使いながら、かえって職員の仕事が増えている。
これでは、何のためのデジタル化なのか、改めて考える必要があります。
④ 導入して終わりではなく、議会自身が改革を!
もちろん、新しいシステムを導入すれば、使い慣れるまで戸惑いが生じます。紙資料が必要な事情にも配慮しなければなりません。
しかし、導入から5年が経過している以上、いつまでも二重運用を続けてよいのでしょうか。
ペーパーレス化が進めば、紙や印刷にかかる経費、資料を準備・配布する職員の負担、環境負荷を減らせる可能性があります。
私は、SideBooksへの一本化を視野に、議員同士で具体的な移行方法を議論すべきだと訴えました。
今回の質疑で、議会中継のアクセス数の実態と、ペーパーレス化によって事務局の負担が増えていることが明らかになりました。
ただし、現時点でYouTubeへの移行や完全ペーパーレス化が決まったわけではありません。
税金を使ってシステムを導入すること自体が目的ではありません。区民に情報が届き、経費や業務負担が減り、行政や議会の仕事がよりよくなることが目的です。
行政には改革を求めるのに、議会自身は旧来のやり方を続ける。それでは区民の理解は得られません。
これからも「最少の経費で最大の効果」という視点から、行政だけでなく、議会自身の税金の使い方にも切り込んでいきます。












